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エンディング
事後、ふたりは特に言葉を交わすわけでもなく、ベッドに横たわっていた。
となりには、郁がいる。
それだけで充分だった。
「眠い……?」
うとうととしながら、傍らの郁に聞く。
「うん」
「じゃあ、寝ようか。ね、そばにいってもいい」
「……いい」
不愛想な言葉にくすくすと笑いつつ、郁にぴったりとくっつく。
そして、ぎゅうっと抱きついた。
郁の体温と鼓動を感じる。
彼は、自分たちは生きていた。
夜中の静けさとあいまって、世界にふたりきりになったような感覚に陥る。
……ふたりの手は血に塗れていたし、どんなに手を洗っても罪の痕跡は消えない。
罪を背負っている。
それでも、生きている。
一緒に歩いていく。
望月は、ふと窓に視線をやった。
夜の帳と荒廃した市街地の景観がただ、あるだけだ。
それでも、世界は広がっている。
きっと、どこまでも。
明日から、ふたりは旅に出る。
期限のない、どこへ行くかも分からない旅路。
(外の世界の空は、どんな色をしているのだろう)
望月は、これから郁とともに見るであろう未知の景色に想いを馳せ、眠りに落ちた。
郁もまた望月の腕の中で静かな寝息をたてていた。
アネモネ 了
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