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アフターストーリー※成人向け描写あり
郁がベッドに裸身を横たえ、しどけなく足を開く。
「……来て?」
いまいち、どうオスを篭絡するのか分かっていないのか、誘い文句にしては色気がなかった。
だが、郁に身体を委ねられている。
心まで許されているという事実に昂ってしまう。
「あ……郁、」
あることに気づいて名前を呼んだ。
「な、なに……」
「身体、震えてる……怖い……?」
「……別に怖くない。何回もしただろう」
郁はうそをつくときに、いつも以上に言葉が硬くなる癖があることが気づいたのもつい最近だった。
それに郁は無理をしている。
彼が過去の出来事や多くの傷を抱えていることは望月が一番、知っていた。
「ねえ、手、繋ごうか」
その言葉に、郁がほっとしたように力を緩める。
望月はその白い指をからめとった。
そして、腰を押し付ける。
その瞬間、郁の身体がびくり、と強張ったので、繋いだ手に力をこめた。
「痛くなっちゃうから、力抜いて……挿入れるよ?」
照準を定めて、くぱくぱと開閉する窄まりに穂先をあてがう。
そのまま、ぐっと少し腰を動かしただけに容易にその箇所は望月自身を呑み込んだ。
「ん……っ、ひ、あっ、あぁ、あああぁあああっ!? 中にっ、望の、挿入ってくる……これ……だめっ、きもちい、あっ、ひぁ、ああぁあああああああっ!」
ぐぶっと最奥まで一気に挿入すると郁がベッドの上で背を反らせた。
「挿入れられただけでイっちゃったの? かわいすぎでしょ」
射精を伴わない絶頂に、郁の中がひくひくと収縮する。
搾精を促すような収縮に持っていかれそうになったが、すんでのところで吐精を堪える。
「中、きもちい……きゅうきゅうって締めつけて……郁と一緒だって分かるから……」
欲望を抑えて、そう吐露する。
繋がっている箇所から伝わる熱い体温。
汗ばんだたがいの手から――心が通っている気がした。
「……俺も……んっあ……!?」
「それ、反則。かわいすぎ」
理性が擦り切れて、無意識に体重をかけてしまう。
そのまま、激しく腰を遣う。
「あっ、あっ、あぁああんっ、は、ぅんっ、ん、あぁっ……!」
もう郁も嬌声を抑えようとせず、ただ、与えられる快楽に甘んじていた。
「揺さぶるの、だめぇ……んっ、く……はぁっ、あ、あぁっ、う、あ……っ!」
きゅうきゅうと隘路を締めあげている癖に、そんなことを言う。
結合部はきゅうきゅうと竿肌を締めあげているので、相変わらず素直じゃない。
ひたひたとシーツを叩く尻尾を軽く握る。
「ひぁああああああああああああああんっ!」
郁が、大げさに身体をのけ反らせて、官能の喘ぎを洩らす。
自分よりも強いのに、いつも守ってもらうばかりなのに。
自分の手管ひとつで乱れる郁がたまらなく愛おしい。
「好き、」
つい、自然に言葉が溢れた。
郁が、じとっと潤んだ瞳で、望月を見た。
口を開いて、それから一回、閉じて。
決心したように郁が言葉を紡いだ。
「……俺のが」
「えー……僕の方が郁のことを好きだと思うけどなあ。第一印象は最悪だったけど、きれいだとは思ってたのは本当だし」
「な……お前が小さくてかわいいと思ったから守りたいと思ったのに――ひ、にゃ、あぁああああっ!?」
腕を牽引したまま、奥を穿つ。
すると、郁が細い喉を反らした。
「なのにっ、こんなにっ、激しく抱くなんて知らなかったあ……し、知ってたら……」
郁がにらみつけて、また憎まれ口を叩こうとするので、角度を変えて、竿肌を押し込む。
「ひゃんっ!」
摩擦で腫れぼったくなった粘膜にそれが触れて、郁が甘い悲鳴をあげる。
「……それでも君は僕のことを救おうとするし、愛したでしょう?」
我ながら、ずるい物言いだった。
「それは、」
郁が息を詰まらせる。
「僕もね、」
大きく息を吐いて、竿肌を抜こうとする。
するとぷつぷつとした凹凸が、すかさず、絡みつき、離そうとしない。
根本まで抜きかけたところで再び、郁の痩身を穿つ。
「あぁっ――あぁ、あっ、あぁああああっ!」
「何があっても、どんな状況で出会ったとしてもやっぱり、君のことを選んでたと思うよ」
束の間、視線が交わる。
「――愛してる、」
たった5文字の、純粋な愛の告白だった。
「おれも、もちを、愛してる……今まで物のように扱われてきたし、きたない俺だけど、もちは選んでくれたあ!」
「それは違うよ。郁はきれいだよ。どんなに罪を重ねても、泥に塗れても。それでも、君が世界で一番きれい、」
郁がその言葉に静かに泣き始めた。
望月は黙って、手を握りしめた。
「きれいは、きたない。きたないは、きれい」
郁がそう口にした。
過去にも郁は同じことを言っていた。
ただ、含まれたニュアンスは違うように思えて、望月は小首を傾げた。
「ねえ、郁それってどういう意味?」
(まあ、郁のことだから映画や本の言葉なんだろうけど)
「……それは、あとでいいから……今は気持ち良くして……一緒にイきたい……」
たった一言で理性が擦り切れる。
ふたりは原始の獣にでもなったように、激しく悦を貪った。
ただ、肉が肉を打つ乾いた音がする。
「は、ぁ……ふぁ……あぁああ……んっ! あ、ぁっ……あ……もち、好き……愛してる、誰よりも一番……」
「僕も郁を愛してる。ねえ、郁もう1回、愛してるって言って?」
粘っこい媚肉がぎゅうぎゅうと蠕動している。
望月は精管を登ってくるものを意識しながら、囁きを落とす。
「あ、いして……る……ずっと……」
汗でぬめった手を懸命に繋ぐ。
強い性感に、郁の口唇がはくはくと開閉を繰り返す。
本能的にそこにしゃぶりついた瞬間。
「んむっ、んうぅううううううううううううううーっ!」
キスで口を塞がれたまま、郁が絶頂した。
すると狭穴がいっそう締め付け――望月はそのまま、郁の中で果てた。
自分の下でビクビクと痙攣する身体を押さえつける。
こぷ、と溢れた白濁が臀部から太腿を伝う。
「こんなに誰かを愛おしいって思う日が来るなんて思わなかった……」
精液で膨らんだ下腹に視線を落としながら、郁がぽつりとこぼす。
望月は、汗ばんだ髪を梳いてやりながら、微笑んだ。
部屋には淫靡な体液と甘ったるい匂いが混ざりあっていた。
もう夜も深く――ふたりの呼吸の音だけが、ただ、響いていた。
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