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第十章 脱出 4

 悠は目を開けた。  真の涙顔が見える。  その濡れた頬を拭おうとしたが、手も指も腕も言うことを聞かない。  全身を覆う倦怠感は、酷使された心臓のせいだろう。  だがそれも、生きている証なのだと思うと少し自嘲気味な笑みがこぼれた。  悠がふっと息を吐くと、それに答えるように真が声を上げた。 「みんないるよ。ここにみんないるよ」  悠の髪を掻き上げる小さな手が少し震えていた。 「敬が僕らを迎えに来てくれたんだよ。……間にあって、良かった……」  怖かったね、と呟く真が愛しくて、悠はこくりと頷いた。  すると反対側から力強い腕が伸び、悠はその虜となった。それが誰のものなのか、顔を見なくても声を聞かなくても分かる。 「良かった……」  緊張が解けきらない掠れた呟きが、胸に染みて辛い。  頬に押し当てられる温かさにそのまま眠ってしまいそうになるが、そんな場合ではなかった事を思い出して悠は少し身体を起こした。  誰一人欠けることなく皆が揃って悠を見ていた。 「脱出成功だ」  暁が言った。  暁が今後のことを話している内、悠は徐々に周囲を見回す余裕が出てきた。  見たことのない古ぼけた部屋。聞けば取り壊し寸前のアパートの一室だという。そして悠は仲間達の中に、一人見知らぬ男が混じっていたことに気付いた。  そちらを不思議そうに見つめていると、視線に気付いた男がゆっくりと近づいてきた。 「自己紹介が遅れました。以前瞬君の担任だった、大津です。はじめまして、悠君」  瞬に抱きかかえられたままの悠の側で、大津は膝をついて挨拶をした。  悠はどう返事をして良いのか迷った挙げ句、黙って顔を伏せた。研究所以外の人間の声を聞くのは一体いつ以来だろう。  なぜこんな人物がここにいるのか、という悠の疑問はすぐに暁が解消した。 「大津先生がこれからお前達の手引きをしてくれる」  暁が言った。 「これからすぐに所長の追っ手が掛かる。逃げ出すことには成功したが、これからは逃亡生活だ」  全員が頷いた。 「これだけの人数で動くと目立つ。ここから先は別行動をしなくちゃならん」 「別行動? まさかバラバラになるの?」  真が不安げな声で言った。 「一人一人では却って危ない。三組に分けようと思う。まず――」  そう言って言葉を切ると、暁は瞬を見た。 「お前達二人、だな。離そうとしても無駄だろ」  暁が笑う。瞬は黙って頷いた。 「それから、敬と涼と、マコだ」 「え? 二人ずつじゃないの?」  もう一度真が言う。てっきり自分は暁と行動するのだと思っていたのだ。 「俺は一人で動く。身軽な方が良い」 「それは……そうだろうけど……」  真は少々不満げに呟いた。自分が足手まといだと言われたようなものだ。  暁の言葉にほんの少しの違和感を覚え、悠は暁を見た。 「いいな、マコ」 「……うん」 「それから明日の朝一番に銀行に行け。みんなそれぞれの名義で金が入ってる。先生に手伝って貰って、足が付かないようあちこちの銀行に分けた。一度に全額下ろせ。小出しにすると、それだけ見つかるリスクが増える」 「金? いつの間に――」 「バイト代をこつこつ貯めた……って言えりゃ格好も付いたんだがな」  そう言って暁は俯いた。そして自嘲めいた笑みを浮かべた。 「すまん、汚い金だ。所長の尻ぬぐいをやってる時にあちこちからくすねた」  大津は思案げな顔で暁を見た。 「確か刑法の条項で、犯罪後に事情を知った上で金品を受け取ると没収対象になる、と言うものがあったような……」 「――言わない方が良かったか」 「まぁ聞かなかったことにしましょう。主犯は別にいるわけですしね」 「……ありがとう先生。みんなも、すまん」  それきり暁は口をつぐんだが、しばらくすると調子を元のように改めて言った。 「身の回りの品で大事なものはあらかじめここに運んでおいた。それを持って今日は、先生が手配してくれた宿に別れて泊まれ。明日からの行き先は先生にも言うんじゃないぞ。先生に迷惑が掛かる」 「私は――」 「いいえ先生。これだけでももう十分です。これ以上関わったら本当にあなたが危ない」  そして皆の方を向いて言った。 「自分たちの力で……生き抜け」  暁の声が重く響いた。真が小さく身震いした。 「そんなに怖がることないぞ、マコ。お前には頼りになるのが二人も付いてるんだ」  暁は真に近づくと、膝を折って視線を合わせた。 「でも……寂しくなるな」  そう言って頭を撫でる。真が涙を堪えるように目を擦った。 「それじゃ、名残惜しいがそろそろ――」  暁が立ち上がって言ったときだった。 「アキラ」  固い声がそれを遮った。 「暁」  悠だった。瞬の腕を解くと少しふらつく足で立ち上がる。思わずさしのべた瞬の手を悠は振り解いた。 「暁」  その名を何度も呼ぶ。だが暁は返事をしない。目も合わせようとしない。  悠はゆっくりと暁に近づいて手を伸ばした。いつもの暁ならすぐにその手を取っただろう。しかし暁はそうしなかった。 「どこへ行くつもり?」  悠が暁の元へたどり着いた。その腕を強く握る。悠の言葉の意味を捕らえきれず、周囲の者たちは皆、二人を見つめている。 「教えて。どこへ行くつもり?」 「どこって、それはまだ決めてな――」 「嘘つき」 「俺は一人で逃げ――」 「嘘つき!」  悠が叫んだ。 「嘘つき! 暁の嘘つき! あそこに戻るつもりのくせに!!」  全員が息を呑んだ。 「アキラ、本当か……?」  敬が言った。 「違う! 悠が勝手に勘違いして――」 「じゃぁ僕も一緒に行く。暁と一緒に行く」 「ダメだ」 「どうして? あそこには戻らないんでしょう? 逃げるのなら僕は暁と一緒に行く」  悠は縋り付くように、暁のシャツの胸を強く握りしめた。 「瞬が……お前には瞬がいるだろう?」  暁が助けを求めるように瞬を見た。だが瞬は何も言わずただ静かに、二人を見つめている。 「いやだ! 暁を一人でなんて行かせない!」  暁はぐっと言葉に詰まった。これはあのときの暁の台詞だ。 「……まいった、な」  ――まさか我が身に返ってくるとは思わなかった。  暁は目の前にある頼りない身体をきつく抱いた。 「悠……」 「どうして暁は罰を受けようとするの?」 「それだけのことを、俺はしてきた」  そう呟くと、暁は抱きしめた悠から手を引こうとした。だがその思いに反して腕が言うことを聞かない。  一度手に入れてしまったらもう離すことなど出来ない。それが分かっているから自分は一人行く事を選んだのに。 「僕も、戻る」  悠が言った。 「悠!」  敬や涼が思わず叫ぶ。 「何バカなこと言って……」 「だって!」  堰を切ったようにぼろぼろと涙が零れ、埃っぽい床に落ちた雫がいくつも染みを作る。暁はひどく胸が痛んだ。 「だって、いやだよ……暁が辛いのはいや……」  必死に手を伸ばし、暁の首に腕を廻す。 「それなら、暁が辛い道を選ぶなら、それを僕にも半分分けてよ……」  悠を……この愛しい人を置いていくとそう決めたのに。腕の中の温もりはそんな決意も容易にぐらつかせてしまう。  暁は一つ深く息を吐くと、自分に言い聞かせるように言った。 「俺は」  ――どうしてお前はこんなに聡いのだろう。 「俺は所長の狗だ」  ――どうしてこんなに鈍いのだろう。 「俺は所長のやってきたことを全部見てる。俺の存在は奴のアキレス腱なんだ。俺がいなくなったら所長は血眼になって俺を捜すよ」  ――俺は、誰よりもお前に幸せになって欲しいのだから。 「さっきの話と同じだ。所長の怒りをコントロールするんだ。俺がいなければ、お前達は逃げ延びることが出来る――分かるよな? 悠」 「分からない……分からないよ!」  悠が首を振る。涙が暁のシャツにも染みた。 「僕を連れて行って……」 「悠」  暁が悠の頬に手を添えた。 「顔を見せて」  暁の手はすぐにしとどに濡れてしまう。 「暁……」 「お前は幸せになれ」 「いやだアキ――」 「幸せに、なれよ」  そう呟くと、悠の唇に自分の唇を重ねた。 「ア……」  悠は暁が何をするつもりか悟った。だが突き放そうとして果たせず、悠の腕が空を切る。やがてその身から力が抜けた。 「アキラ……」  最後に名を呼ぶと、悠は深い眠りへと引きずり込まれた。  誰も動けなかった。  暁はしばらくの間悠を抱きしめていたが、やがて顔を上げた。 「瞬」  暁が呼ぶ。瞬は暁の側へ寄ると、その腕から悠を受け取った。 「すまん……その、いろいろと」 「何からなじってやろうか、ずっと考えてた」  瞬が言った。 「……」 「まず一人で戻ること。それから勝手に決めたこと。悠を泣かせたこと……」 「瞬、俺は――」 「でも、やめた」  瞬が強い意志を込めて暁を見た。 「俺は、研究所を潰す。今は無理でも、力を付けて絶対潰してやる」  そう言って瞬は暁の胸をトンと突いた。 「必ず……、暁を助けに必ず戻ってくるから、それまで待ってろ」  幼さなど微塵もない、その男の目に暁は安心したように頷いた。 「わかった。……待ってる」 「アキラぁ……!」  真も泣いている。暁は、もう一度真の頭をぐしゃぐしゃにかき回した。 「笑ってさよならしたかったんだけどな」 「アキ兄のばかー!」  わんわんと泣く真を抱きしめると、暁は顔を上げて敬と涼に言った。 「マコを頼む」 「あぁ、俺たちの全部を懸けて」 「うん。真は絶対に、絶対に守るよ」 「……ありがとう」  そして暁は真を解放すると立ち上がった。 「本当に、これでお別れだ」  皆の顔をぐるりと見回す。この愛しい顔を目に焼き付けて、暁はこれから一人で歩いて行く。  暁は最後に大津に向かって頭を下げた。 「よろしくお願いします」 「――はい」  大津は一言だけ答えると、深く頭を下げた。  暁は顔を上げると、くるりと後ろを向いて部屋を出て行った。もう振り返ることはなかった。  後に残された者たちはしばらく無言で、暁の事、これからのことに思いを馳せていた。  ひどく心細い。今更ながらどれだけ暁に頼っていたか、そして研究所での生活に馴れ、依存してしまっていたかを思い知る。  瞬は腕の中で眠る悠の涙を拭うと、様々な思いを断ち切るように頭を振った。悠を部屋の隅に横たえ立ち上がる。  そして部屋に積まれた荷物を、まとめて皆の前に運んで並べた。 「俺たちで少しずつ部屋から運び出した荷物だ。服と金と、少しの食料、マコの教科書やノート……」  真が見ると大事な物はすべて持ち出されてあった。 「こうしてみると、僕らって持ち物少なかったんだねぇ」  真や瞬が研究所で過ごしたのは四年、敬達が一年だった。その期間を考えても荷物は少ない。 「暁がよく『物を増やすな』って言ってたけど……」  真は目の前の小さな犬のぬいぐるみを愛おしそうに撫でた。これはずいぶん前に暁が買ってくれた物だ。 「暁はずっと、逃げる時のことを考えててくれたんだね」  ぬいぐるみを抱きしめると、またその目から涙が零れた。 「僕、暁にありがとうって、言えなかった」 「マコ」 「ずっと僕らを守ってくれたのに、言えなかった……!」  敬が真の肩を黙って抱き寄せた。 「ねぇマコ」  瞬が言った。 「さっき俺が言ったの聞いてただろ?」 「……うん」 「俺はもっと強くなる。強くなって、研究所をぶっ潰して暁を助け出す。そしたらまたみんなで暮らそう」 「また会える?」 「もちろんだよ。なぁ、敬?」  敬が力強く頷いた。その隣で涼が言った。 「俺も敬も、そのときが来たら絶対戻ってくる。一緒に研究所を潰そう」 「暁を助け出したら、そのときにこそありがとうって言おう」  瞬が言うとようやく真も笑った。泣き腫らした目で瞬を見上げる。 「瞬」  真が言った。 「瞬とも、ここでお別れだね」 「……うん」  物心つく前から、おそらくは生まれたときから、二人はいつも、いつも共にあった。 「マコ。一緒に行けなくて、ごめん」  心細い昼も眠れない夜も、いつも肩を寄せ合って過ごしてきた。 「ううん。……ううん、いいんだよ」  その道が今、二つに分かれる。幼い子供の時は終わった。 「今度瞬に会えるときまでに、泣き虫なおしておくからね」  そう言うと袖口でぐいっと目元を拭った。  瞬は笑って頷くと、その後ろに立つ二人に顔を向けた。 「敬、涼」 「うん? 真のことなら任せて――」 「いや、違うんだ。……二人にはちゃんと言っておきたい」  そして一瞬目を伏せたが、すぐにまたまっすぐに二人を見た。 「ごめん俺、悠を……連れて行くよ」  咄嗟に敬は言葉に詰まった。だがやがて笑って言った。 「あぁ。……いいよ。お前になら、いい」  そう言って隣に立つ涼を見る。涼も笑った。 「泣かすな。食わせろ。笑わせろ。……ってところかな」 「約束?」 「約束だ。その頑固者の手を離すなよ。……幸せにしてやってくれ」  瞬は二人の顔を交互に見ると、深く頷いた。 「皆さん」  話の途切れるタイミングを見計らっていたのだろう。大津が言った。 「名残惜しいですが、そろそろ行きましょう」  ぐるりと全員の顔を見回す。皆が頷いた。 * 「悠君はどうですか」 「よく眠ってます」  瞬が椅子に座ると、大津が湯飲み茶碗をテーブルに置いた。  ここは大津のマンションだ。  敬達と別れたあと、大津は瞬を自宅へと迎えた。瞬は大津の申し出を固辞したが、眠ったままの悠を抱えてでは不審がられるだけだと、大津が言ったのだ。  確かに目立つことは極力避けたかった。加えて急遽予定を変更するのも、少しは目眩ましにはなるかと思い直し、こうして大津の家に一時厄介になることに決めたのだった。 「いろいろとありがとうございます。今日ぐらい悠をゆっくり休ませたかったから……」 「いえ。私も君と一度ちゃんと話をしたかったんですよ」  大津が言うと、瞬が少し居心地悪そうに尻を動かした。 「どうしました?」 「いえその……俺、普通の家、って初めてだし、先生とこうして差し向かいってのも慣れてなくて」  瞬は照れたようにこめかみを掻いた。物心ついたときから研究所での生活だったのだ。民家という物自体が珍しくもあり、少し恐ろしくもあった。 「そんなに緊張しなくても大丈夫ですよ」  大津が笑った。 「話と言っても何でも良いんです。君とは、学校でもほとんど話す機会もありませんでしたし」 「研究所のことは話せません。先生が知らない方が良いこともたくさんあると思います。下手に知ってしまって、先生が危険に――」  大津は手を挙げて瞬を制した。 「ありがとう。皆さんのお気遣いはよく分かってます。だから研究所のことは聞きません。君自身のことを聞かせて下さい。それなら構わないでしょう?」 「それは良いですけど……大してありませんよ? たかだか十年ほどの人生です」  大津は笑って先を促す。瞬は大津の合いの手に導かれるように話し始めた。二人の話す声は明け方近くまで途切れることはなかった。  朝、まだ日も昇らない内に、瞬は悠の身体を揺り動かした。 「悠、起きられる?」  耳元で囁く声に悠はすぐに応えた。  身を起こし、目を開けて返事をしようとして、そのどちらもが少し困難なことに気付く。目は腫れて熱を持ち喉も痛む。  それで前夜、泣きながら眠ったことを思い出した。 「大丈夫? どこか痛い?」  きっと酷い顔をしている。急に恥ずかしくなって顔を背けると、その目元に冷たいものが押し当てられた。 「しばらく冷やすと良いよ」  悠が冷やしたタオルに手を添えると、代わりに瞬は悠の肩を抱いた。そしてゆっくりと言った。 「悠」 「……はい」  少し声が掠れたが、ちゃんと返事をすることが出来た。 「昨日言えなかったことを、今ちゃんと言っておきたいんだ」 「……」 「俺と一緒に来て」  肩を抱く手に力が籠もった。 「いろんな人と、君を幸せにする約束をしたんだ。……俺にその約束を守らせて」  端から見れば滑稽な、子供じみたやりとりにも見えたが、二人は真剣だった。  悠はタオルを除けて瞬を見た。 「返事は?」  瞬が優しく促す。 「……昨日の、こと」 「うん」 「怒ってる?」 「……少し」  怒ってる、と言いつつも瞬の声はやはり優しい。 「俺を置いていこうとしたこと、ちょっとショックだった」  悠は俯いて素直に謝った。 「……ごめんなさい」 「いいよ。それも君らしいなと思ったから」  そう言いながら、瞬は悠の首へ手を差し入れると少し乱暴に顔を持ち上げた。悠に戸惑う隙も与えず唇を重ねる。  この行為に馴れていない悠は、咄嗟に僅かな逡巡を見せたが、それも瞬の前に霧散する。  瞬は必要以上に深追いすることなく、悠の感触を確かめるように啄んだ。そして悠も応える。  しばらくの戯れの後、瞬は唇を解放して言った。 「愛してる」  悠が息を呑んだ。 「悠」 「……」 「……悠」 「は、い」 「俺を呼んで」 「……瞬?」 「うん」  悠が腕を伸ばす。瞬はすぐに悠を抱きしめた。 「いつでも、俺を呼んで。寂しいときでも、嬉しいときでも、怖いときでも。俺は必ず君の側にいるから」 「瞬も」 「……うん?」 「瞬も僕を呼んで。僕が君の側にいられるように」  ――ふらふらと消えそうになる僕をつなぎ止めて。君に縛り付けて。  悠の言葉に、瞬は一層腕に力を込めた。 「最後まで一緒に行こう」 *  まだ夜も明けきらぬ内、二人は大津の家を辞した。  眠っている家主を起こさぬよう、一言メモを残し家を出る。  少し離れたところで背後のマンションを振り返ると、窓のカーテンが揺れるのが見えた。  そちらへ向かって二人は頭を下げる。  瞬は二人分の荷物を背負い、悠の手をしっかりと握りなおした。  これから二人がどこへ行くのか、彼ら自身にも分からない。  研究所の追っ手の影に怯える日々が始まる。それなのに二人の心はなぜか昂揚していた。  この空の下を、二人で。最後まで二人で生きてゆこう。  その言葉を胸に二人は歩き出した。 第一部 END

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