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第38話 番外編・伏竜の思い出5
普通なら、考えられないだろう。
散々レイプされた後に、俺に抱いて欲しいとねだるなんて。
だが、墨星は言った。いつもの綺麗な瞳で。
「綺麗な伏竜に抱かれたら、綺麗になれる気がするから」と。
……俺が綺麗?
何処を見てそう言ってんだと言ってやりたかった。
俺は青龍門派で、有り得ない程に汚い仕事をしてきた。
そうやって、のし上がったんだ。
それは……誰の命令だったか思い出せないが、少なくとも綺麗なんかじゃねぇ。
でも、そうでなくとも良かった。
墨星を抱きたい。
俺の中心は墨星を抱きたくて疼き始めていたから。
指で墨星の中に出されたザーメンを掻きだした。
どろりと大量に出てくる精液に、こいつがどれだけ犯されたか察し、怒りで身が燃えそうになる。
墨星の美しい二本の足からは、次から次へとザーメンが出てくる。
それを丁寧に掻き出してやった。
何度も墨星とキスして安堵させてやろうとすると、あいつは舌を絡ませてきた。小さくて可憐な舌に、思わず吸いつきそうになる。
可愛い、とすら思った。
だが、乱暴に犯された後の墨星に荒っぽい真似はしたくない。
鳳雛に傷を治されたとはいえ、心の傷は薄れても治るもんじゃねぇ。
俺は出来るだけ墨星の体を気遣いながら、その美しい肉体に酔い痴れた。
風呂場でのセックスは不思議だった。
俺はこいつの濡れた肌を何処かで見た気がしたからだ。
このバスルームの明かりより頼りない、月明りの下で。
熱烈に抱き合った……気がする?
お互いを貪り合う蛇のように。
でも思い出せない。
俺の願望が見せた妄想か?
墨星の後孔を肉竿で突きながら、俺は記憶にない経験に想いを馳せていた。
バスルームに木霊する墨星の喘ぎ声は、俺のモノを更に熱くさせた。
「あっ♥ あぁっ♥」
こいつは見た目や性格だけじゃなく、声まで可愛いのだ。
滾らずにはいられない。
ペニスを穴に突き入れる度に、墨星は腰を振ってねだってくる。
M字に抱えた足が、その度にビクビクと震えていた。
あまりの締め付けに、俺自身も直ぐに達してしまいそうだった。
肉と肉が擦れ合う感覚は、痛いはずなのに、こいつの中はヌルついて
肉棒を締め上げ、吸いつくように最高の快楽を与えてくる。
たまらずに突き上げると、必死にキスしてきた。
そのキスに応えると、墨星の逸物が何度も俺の腹筋に吐精した。
それが可愛くて仕方なくて、飢えたように貪る。
そうしてセックスを終えると、お互いに霊力が漲るのがわかった。
墨星の奴、レイプされたってのに、どれだけの霊力を保持してるんだ……。
こいつは特別な人魚かもしれない。そんな気がした。
そうしていると、墨星が言い出した。
「オレ、伏竜のこと、好きだから!」
叫んだあとに墨星はアワアワしていたが……。
……~~ッッ!
可愛いかよ!!
俺は墨星の可愛さに顔を覆いたくなって堪えた。
なんだよ、この可愛い生き物は!
くそっ! もう一度抱きてぇ!
それからは濡れた体を拭き合った。
墨星が背伸びしながら俺の頭を拭こうとするので、屈んでやる。
すると嬉しそうにタオルで俺の髪を拭いてきた。
この野郎! 可愛いな!
それからは墨星を抱いてベッドで眠った。
墨星は俺の胸を指でツンツンして、上目遣いまでしている。
まだセックスしたそうに、おねだりしていたが……。
俺の肉体も性欲に疼いている。
俺もヤりてぇが、墨星の体を考えると欲望のままに突っ走れない。
こいつのことは何より大事にしたいからだ。
壊れるまでヤッて、ヤリ捨てるみてぇな真似はしたくない。
そう思ったから、胸に抱き寄せて「寝ろ」と告げた。
同じシャンプーの香りをさせながら眠る。
墨星のカラダは柔らかくて、すべすべしていて良い匂いがした。
そんな奴が俺の胸に顔を寄せて寝ている。
安堵感を覚えた。
でも、不覚だった。
いくら疲れているとは言え、墨星が抜けだしたのに気づかなかったなんて。
どれくらい経過しただろうか。
「墨星……」
俺が手を伸ばすと、冷えたシーツだけが、ばふっと音を立てた。
「墨星……?」
最初は手洗いか何かに行っているのかと思った。だが、あいつの服が無い!
嫌な予感がして、俺は上着も羽織らずに部屋から飛び出していた。
「墨星!」
あいつが行きそうな場所なら、目途はついていた。
当たってほしくない予感だが!
きっと冥に対価と引き換えに、俺の記憶と姉の居所を聞きに行ったのだろう!
クソッ!
呑気に寝ていた自分に腹が立つ! どうか間に合ってくれと願う気持ちで、俺は冥の部屋の扉を開けた。
だが、全ては手遅れだったのだ。
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