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潜った先に広がるのは、行き交う人の賑やかな声と屋台から流れてくる美味しそうな匂い。 外でも漏れていたそれらは夏生を包み、一瞬にして胸を踊らせるような気持ちにさせる。 目移りするそれらに夏生は屋台の照明のように目を輝かせていた。 「夏生、ごめん。調子乗っ──⋯⋯」 「凪っ! ヨーヨーあるぜ! あとたこ焼きも! あ、わたあめもあるっ! うわ〜、めっちゃ悩む〜っ!」 「⋯⋯夏生、これだから⋯⋯」 「何? 何か言った?」 「ううん。じゃ、順番に寄っていこうか」 「おうッ!」 何やら楽しげにくすくす笑う凪に元気よく返事をした。 「──やりすぎたぁ! めっちゃあって重い⋯⋯」 「あんなにも屋台があるとは思わなかったよね。楽しかったけど、食べ物系買いすぎたかな」 互いの頭には特撮キャラのお面に、首には光る輪っかを下げ、手には射的で偶然にも当たった小さなお菓子、それから金魚やりんご飴、わたあめ、焼きとうもろこし、たこ焼きを持っていた。 「食べ物に関しては食べてからでも良かったかも」 「さすがに欲張り過ぎたか?」 自分達の失態を何だかおかしく思い、笑い合っていた。 「ひとまず座れる場所を探そうか」 「そうだな」 周囲を見ると、行く先に屋台の最後の方、神社へと行く道の途中に座れそうな場所を見つけ、そこに腰を落ち着かせた。 「あー腕がしんどかった!」 「座れる場所があって良かったね」 「それな。じゃ早速食おうぜ」 それぞれ持っていた物から順に食べていき、「うめー!」「美味しいね」と口々に言い合い、自然と笑みを零していた。 がつがつと食べていた時、りんご飴をかじっていた凪が静かに下ろし、ぽつりと言った。

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