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番外編 フコック料理長の述懐(三)

 一度関係を結んでしまえばこちらのものだ。悲願を達成した私は勝利に酔いしれていた。  だが、食糧庫でも性交に及ぶようになった私に、殿下は少しよそよそしくなられた。  乳首を吸おうとすれば、これ以上乳首が育つのが嫌だと仰る。アナルを舐ろうとすれば、気まずそうに目を伏せられる。流石にやり過ぎたかと感じた私は、性交の回数を控えるようになった。代わりに口で肉棒を慰めてもらう。無論、私自身も殿下に奉仕することを忘れない。それでも殿下は不安を拭えなかったのだろうか。程なくして、エルシャという召使いに懐くようになった。  エルシャも懐かれて悪い気はしていないようだ。いつでも殿下の側に控えては、あれやこれやと楽しそうである。  無邪気でお優しい殿下は変わらず私に接してくれはするものの、それは人目がある場所でだけとなった。流石にこれでは殿下の肉体を愉しむ隙がない。私は妄想の中の殿下をひたすらに犯した。  衝撃的なニュースが私の耳に飛び込んできたのはその半年後だった。殿下が緑の国フロリナに嫁がれるというのである。私は我が耳を疑った。何でもフロリナ王国の第一王子ハスラーム殿下が、アスラン殿下をご所望とのこと。その調整も兼ねてフロリナ王国の国政官が暫く王宮に滞在されるのだとか。  嫌な予感が私の胸を駆け巡るも、最早私にはどうにも出来ない。  私の夢は、終わったのだ。

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