14 / 15

番外編 フコック料理長の述懐(二)

 それから私は定期的に殿下の自慰が上手くいっているのかを確認するようになった。  勿論、場所は食糧庫だ。管理をしているのが私であることもあり、他の使用人が足を踏み入れてくることが滅多ない。だから私は食糧庫で三日に一度、膝に乗せた殿下のアナルを確認しては、殿下の開発が上手く進んでいるのかを確認した。  初めの内こそ痛みを訴えておられた殿下ではあったが、一か月を過ぎる頃ともなると大分こなれたようだ。私の愛撫に積極的に声を上げられるようになられた。  乳首を弄ることを教えたのは殿下のアナルが柔らかみを増した三か月目だった。こちらは元々そこそこ感度があったようだ。衣装の上から乳首に指を這わせただけでも、気恥ずかしそうに身を捩られる。私は殿下が逃げないのをいいことに、衣装をずらして乳首を露出させた。そしてやんわりと吸い上げてやりなが、口内で舌を蠢かせて舐った。  ぷっくりと膨れた桜色の乳首は、殿下の性格そのままに無垢であった。  既にアナルで私の愛撫に慣れられていたからだろう。二週間も経つ頃には乳首への愛撫で声を上げられるようになられた。  ――あっ、フコック……駄目、駄目だよ……そこ、おかしくなっちゃう……  赤い口唇を薄く開いてあっあっと喘がれる殿下のお顔は、例えるものがないほどに煽情的だ。この表情を目にした者は、誰であろうと殿下に魅入られてしまうに違いない。それほどまでに、喘ぎよがる殿下のお姿は魔性に満ちていた。  だから私は思ってしまったのだ。  いつかはその赤い口唇に、私の肉棒を含ませたい。  私の欲望は尽きなかった。  夜を迎えてひとりになった私は脳内で殿下を赤裸々な格好にして、様々なプレイを楽しんだ。妄想の中の殿下は大胆におなりだ。私の股間に顔を埋めて、美味しそうに私の肉棒を口に頬張られる。暫くもすると我慢が利かなくなった様子で、フコック、頂戴。そうおねだりをしてこられるのだ。  私は妄想世界で、何度も体位を変えて殿下を犯した。自らの肉棒が擦り切れるのではないかと思うほどに犯した。  私は夢と現実の境界が曖昧な人間ではなかったが、あまりに毎夜、妄想の中の殿下と性行為に励んでしまったからだろう。殿下を目にするだけで股間が熱くなるようになった。この貴きお方の秘密の顔を私は知っている。知っているばかりか秘密の場所に触れることを許されている……。  だから私は、現実世界の殿下に対して段々と大胆になっていった。いつかなどは、食糧庫と調理場を隔てる扉の前に立たせた殿下の乳首を吸ってやりながら、左手でアナルを、右手で性器を刺激してやったりもした。また別のいつかなどは、調理場に上がる階段に座らせた殿下に脚を開かせて、指で乳首を揉んでやりながら、未熟な性器とアナルを舐ってやりもした。  当然ながら殿下の身体は日増しに敏感になっていかれた。私との秘密の行為は勿論のこと、私の教えに従って夜毎自慰に耽っておられるのである。柔らかくなったアナルに、射精を覚えた性器。日々私に吸われ続けたことで膨らみを増した乳首などは、衣装の上からでも確認出来るほどだ。  いつしか乳首を弄られただけでも射精に至れるようになられた殿下のいやらしい身体は、私の欲望を加速させた。  嗚呼、早く妄想を現実のものとしたい。  欲望に歯止めが利かなくなったのは五か月目のことだった。国王陛下が内政把握の為に何人かの王子を連れて国内周遊に向かわれることとなったのだ。  王宮の警備が手薄になるその時こそ、殿下と契りを結ぶ時だ。  私は無事に国王陛下が出立出来ることを願った。毎日のように心を躍らせながらその日の訪れを待った。たった四日、王宮を空けられるだけだったけれども、四日もあれば一度はチャンスがある筈だ。  私の願いは天に通じた。  閑散とした王宮内で、私の企みを知る由もない殿下はいつも通りだった。  だから私もいつも通りに振舞った。食糧庫に殿下を連れ込んで悪戯するのもいつも通りに行った。よがる殿下を幾度か射精に導いてやり、あとは何食わぬ顔で仕事を終えて、夜が更けるのを待った。  そして兵士の目を掻い潜っては、殿下の寝所へ様子を窺いにいった。  チャンスが訪れたのは三日目の夜だった。  庶子である殿下は何につけても後回しにされていた。優先されるのはいつだって他の王子や王女たちだ。だからその日、殿下の寝所の前に警備を担当する兵士がいなくとも私は驚かなかった。普段王宮の警備にあたっている兵士の殆どが、国王陛下の周遊についていってしまっている以上、王宮内部の警備が手薄になるのは当然のことだったからだ。  私は殿下の寝所に忍び込んだ。  天蓋付きのベッドですやすやとお休みになっておられる殿下に、殿下。と、囁きかける。驚いた様子の殿下の口唇を私は即座に自らの口唇で塞いだ。兵士を呼ばれる前に快感で溶かしてしまおう。殿下の口唇を貪りながら、私は殿下の衣装をほっそりとした身体からはぎ取った。何をされるのか理解出来ていないようだ。フコック、どうしたの。あどけない瞳が私に向けられる。  ――今日は殿下とより深い繋がりを得る為に参りました。いつも以上に気持ち良くなりましょう。    殿下の身体をベッドに沈ませた私は、殿下の身体を余すところなく舐った。未知なる刺激が耐え難かったのだろう。途中で射精されてしまわれたものの、構わずに愛撫を続ける。私は殿下の身体を二つに折って、陰部を露わとさせた。張りを取り戻した性器の下で、ぷっくりと膨れたアナルが何かを求めているかのように収縮している。  私は自らの肉棒を殿下のアナルに当てがった。  ひだを割って、ずぷりと亀頭を潜り込ませた瞬間、殿下の表情が僅かに歪む。私は殿下の頭を抱え込みながら、ゆっくりと自らの肉棒をその細い腰の中に埋めて行った。如何ですか、殿下。尋ねると、少し苦しい。との返事。  ――なあに、直ぐに気持ち良くなりますよ、殿下。殿下のここは柔らかく仕上がっておりますから。  私は緩やかに腰を振った。肉の壁がやんわりと私の肉棒を包み込んでゆく。嗚呼、これが殿下のアナルの中か。本懐を遂げた私は感慨に耽りながら腰を振った。あっ、あんっ。入り口を擦られるのが好きなか。それともしこりを圧迫されているからか。殿下が喘ぎ声を発される。  可愛らしい殿下の声を聞きながら、私は殿下の中で果てた。  私はこれまでの妄想を全て果たす勢いで殿下を抱いた。萎れた肉棒を殿下の口に含ませ、舌で愛撫をする方法を教えて差し上げる。最初は途惑いをみせた殿下ではあったが、「私も殿下の性器を舐めているのですから」と口にすると納得されたようだ。私の言葉通りに大胆に舌を絡ませてくる殿下に、私は至上の喜びを味わいながらまた果てた。  その夜の私は無敵だった。  時に膝に抱え、時に尻を突き出させ、時に側位でと、代わる代わる体位を変えながら殿下に挿入を繰り返した。勿論、殿下に射精をさせるのも忘れない。乳首で達させ、性器で達させ、アナルで達させと、考え得る限りの最高の夜を演出したつもりだ。  けれどもそんな最高の夜も長くは続かない。夜が明ける頃、ベッドを去る決心を付けた私は、殿下のアナルの後始末をすることにした。すっかり私が注いだ精液に塗れてしまっているアナルを、持参したタオルで丁寧に拭ってやる。拭っても拭っても染み出てくる精液に手古摺りはしたものの、どうにか兵士に見付かることなく私は殿下の寝所をあとにすることに成功した。

ともだちにシェアしよう!