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番外編 フコック料理長の述懐(一)

 ほんの出来心だった。  見目麗しいアスラン殿下がわたくしに懐いてくださっている。その信頼を逆手に取ってしまったのは否めないが、私は浮ついた気持ちで殿下に手を出したのではなかった。あのいと幼きお方を、私は本当に愛していたのだ。  ほっそりとした身体。瑞々しい殿下の褐色の肌に魅せられない者などどこにもいないだろう。しかもあのあどけない面立ち。金色の瞳に見上げられるだけで私の心は踊り、そして乱れた。もっと、殿下に近付きたい。だから私は、殿下に心を砕いてもらうべく努力を重ねた。調理の手伝いをさせるといった行為にしてもそう。食事に殿下の好物を一品必ず混ぜるのにしてもそう。殿下のお望みを最大限に叶えることで、私は殿下との距離を縮めようと目論んでいた。  始まりは、殿下からのご相談だった。  遡ること一年と二か月前。夢精を知らない殿下は、腰巻きに出来ている染みに驚かれたようだった。不快なべたつきに、病気を疑われたのだろう。本来だったらご家族に相談されていたところを、いかんせん素っ気ない仲だ。亀の甲より年の劫と、私を頼られたのも当然の流れであったといえる。  生殖器に関わる問題だけに、殿下は人目を憚りたいご様子だった。もっと適した場所があるのにも関わらず、食糧庫に殿下をお誘いしたのは、私の下心以外の何物でもない。殿下の身体を味わいたかった私は、殿下に自慰の遣り方を教えるついでに、その身体に触れることを目論んだのである。  スキンシップに飢えておられた殿下は、私が膝に乗るように伝えると、疑うことなく膝の上に乗り上がってこられた。  胸に感じる殿下の背中のぬくみ。想像以上に柔らかい肉体に、私は心は躍らせた。いずれこの身体を私のものにしてみせる。私が殿下を手に入れると決心したのは、この瞬間だった。  ――よろしいですか、殿下。男性は定期的に射精をする必要がございます……。  私はそう説明してやりながら、殿下の背後から手を伸ばし、腰布の隙間へと手を挿し入れていった。ぴくりと殿下の身体が震えるも、抵抗はなかった。  ――こうやって自分で刺激を与えることで、古い精液を放出するのです。  私は殿下の稚き性器に触れた。そして、陰茎を扱くことを殿下にお教えした。ついでにゆっくりと陰嚢を揉んでやる。すると、陰茎を扱いている殿下が、吐息の合間に声を洩らし始めたではないか。  ――ここも一緒に弄るとより効果が増すのですよ、殿下。  ついでに、ひとつ嘘を教えた。  アナルを殿下御自らの手でほぐさせるのだ。これだけ無防備に私に身体を預けてくれる殿下である。少しずつ私との性的なスキンシップに慣らしてゆけば、将来的には挿入に至れるのではないか。私は早くも新たな野望を胸に抱いていた。  無謀な試みだとは思ったが、純粋な殿下は私の嘘を信じられたようだ。翌日、二人きりになると、「お尻の穴が痛いんだけど」とこっそり打ち明けてこられた。私は再度、殿下を食糧庫へと連れ込んだ。そして、様子を確認する為に壁に手を突かせた。  殿下の双丘を開き、アナルを眺める。  小さな小さな殿下の穴は、まだまだ未熟なようできゅっと口を窄めたままだった。見た感じ怪我はないようだ。ならばと私はおもむろに殿下のアナルに口付けた。フコック。と、殿下が驚いた声を上げられる。消毒ですよ、殿下。私はそう答えて、暫く殿下のアナルを舐った。  ゆるゆると収斂を始める殿下のアナルが私の股間を熱くする。  嗚呼、ここに私の肉棒を収めたい。そして殿下の細い腰を、私の肉棒で一杯にしたい。  けれども焦りは禁物だ。不信を抱いた殿下が国王に今日のことを打ち明けようものなら、私の命は刑場の露と消えてしまうことだろう。私は適度なところで殿下への愛撫を止めた。いつしか息の上がっていた殿下が、食糧庫の冷たい床にしゃがみ込まれる。  ――なりませんな、殿下。衣装が汚れます。  私は殿下を抱き上げて差し上げた。そして私の膝の上に乗せた。最初は痛いものなのですよ、殿下。アナルに指を這わせながら語りかけてやると、納得されたようだ。お手本はあるの? と、無邪気にも尋ねてこられる。  ――こうしてここを摩ってやるのです。  私は殿下のアナルに人差し指を挿し入れた。少し奥にあるしこりに指の腹を擦り付ける。わかりますか? と、尋ねると、微かな快さを感じておられるようだ。なんか、変。と、答えてこられながら腰をもぞもぞとさせている。  ――では、今日の分をここで済ませてしまいましょう。  私は指を抜き差ししながら、殿下の性器を扱いて差し上げた。ああ、フコック。そんな……。そう口にしながらも、殿下が逃げる気配はない。私はそのまま殿下を射精へと導いて差し上げた。いずれは乳首を弄ることも覚えさせねば。そう考えながら。

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