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想っているだけで… 1

その日はそれから、皇帝家付きの上級魔法使いやらがやって来て 婚約の契約についての説明や今後の流れについて説明された。 エルメーザは2度目だったが、リウムにとっては初めての事で彼は目をまん丸にしながら話を聞いていたようだった。 夕食を終えて自室に戻って来ると、リウムはため息を溢しながらベッドの上に寝転んで渡された資料を眺めている。 「ある程度覚悟してたけどさぁ… 皇帝家って細かいルールとかしきたり?とか多すぎない?」 口を尖らせながらため息を溢すリウムは行儀のカケラも無かったが、皇帝家の屋敷でこんなにだらしない格好の人間がいるのが物珍しくてエルメーザはつい観察してしまうのだった。 「…威厳を保つためだ。仕方ないだろう」 「それにしてもさぁ…! 婚約についてだけでもこんなに分厚い資料が3冊もあるんだよ!? 受験するんじゃないんだからさぁー…」 リウムはぐちぐちと文句を言いながらもついに資料を投げ出してベッドの上に大の字になっている。 エルメーザは眉根を寄せた。 「……レンシアはそんな文句は言ってなかったぞ」 「…は?」 リウムは寝転がったままエルメーザに顔を向けて目を細めた。 「先輩と一緒にしないでよ…。 僕は先輩みたいに頭も聞き分けも良くないの!」 彼はそう言いながらも広いベッドの上をごろごろと転がっている。 確かにリウムとレンシアは違い過ぎるし、その違いは根本的な部分なのだろうとは流石にエルメーザにも理解出来ていたが どちらが伴侶として相応しいか、などと言った事までは分からなかった。 叔父のローザレックはリウムの方が相応しいと判断した訳だが、それは魔力の数値的な意味合いだ。 エルメーザはレンシアも粗野でちんちくりんだと思っていたけど、リウムを見ているとレンシアはまだ気品があったなとつい思ってしまう。 だけど本当は自分が知らないだけで、レンシアも当初はこうだったのかもしれないと思うと エルメーザはまた罪悪感で胸がチクチクなってしまうのだった。

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