107 / 107
魔法じゃないもの 6
魔法使いが羨ましくて、そうはなれない自分がずっと妬ましかった。
魔法さえあればとどんな大人も口にする。
どんなにペーパーテストの点数がよくたって、家の責務を自分なりに全うしようと駆け回ったって。
魔法さえあれば、で無碍にされる。
どうしてダメなんだろう、何がいけないんだろう。
魔法がなくたって出来る事はたくさんあるのに。
魔法なんかなくたって、上手くやれるようになるんだと。
子どもの頃はそうやって思っていたのに。
大人になればなるほど、上手く出来ればできるほど。
魔法さえあれば、と。
魔法さえあれば。
魔法さえあれば。
いつからか。
魔法に囚われていたのは。
ともだちにシェアしよう!

