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魔法じゃないもの 5

何を言うかよりも誰が言っているか、それは全くその通りだったし、自分だって常日頃感じていた事だ。 それは、そんなのはなければいいのに、というニュアンスで思っていた事だったのに。 「……ごめん…サンイヴンくん…、君のこと誤解してた」 「誤解?まるで本当のことを知ったように言うんだなぁ」 「君が…その、すごい魔法使いだって僕に見せつけたいのかと思って…」 申し訳なさも相まってウィリンスが珍しく素直に謝ると、ローラは驚いたように目を開いている。 「君の言っていることをちゃんと聞こうとしなかったんだ…」 ずっとそんな大人に傷付けられてきて、そうはなりたくないと思っていた。 だけど気が付けば自分が一番率先してそうなっているのではないか、と思えてゾッとしてしまう。 ウィリンスがぼそぼそと呟くと、ローラは小さく噴き出している。 「ははは!俺がそんなにすごい魔法使いに見えたのか? だとしたら勘違いも甚だしいぞ?俺はお前には魔法を一つも使っちゃいないからなぁ」 ローラは何故か笑っており、どうしてそんな風に笑い飛ばせるのだろうとウィリンスには不思議に思えてならなかった。 やっぱり全然違う人種なのかもしれないとも思うけど、それ以上に。 「魔法にあまり囚われるな。こんなのは所詮人間には行き過ぎた力だ。 魔法なんかなくたって脳を使ってこの世の真理をなんでも解き明かせるし、口がうまけりゃ何人だって味方に付けれる。 この無駄に長い手足で、圧をかけてくる皇帝家や国営相手に立ち回れもする。だろ?」 ローラは揶揄うように言いながらもウィリンスの胸を叩いてきた。 こんな風に、言ってもらえたことなんてあっただろうか。 いや、記憶の限りではなかったはずだ。 叩かれた胸が何故か騒ぎ出して、夕暮れ色の中で笑っているローラの姿とその言葉達がやけに焼き付いてしまっていた。

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