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プロローグ
瞳を覆う重たい瞼をどうにか持ち上げれば、あまりにも眩しい光が一気に収束したように入ってきて、反射的に身を硬くした気がする。
なぜここへ向かったのか、分からなかった。
自分の身体が脳からの命令を受け取って正常に動いているのかなど、とうに分からなくなってしまっているため全てが憶測でしかなかった。
身体の感覚がない。薄らいでは白く染まっていく意識は、この命が尽きようとしているのだと明確に教えてきている。
───手を繋がれた。
驚くほど自分よりも小さく、熱かった。
身体の感覚などとうになくなっていたかと思ったが、熱を感じ取ることはできた。それに、触れているのが温かい手だということも理解できた。
止まらぬ出血に体温が急激に下がり、自分の手が冷たくなっていたせいでそう感じたのかもしれない。自分の身体以外のものは、全てが灼けつく炎のように感じられるほどに全身が芯から凍りついていた。
他人の体温など不愉快でしかなかったはずだが、この時ばかりは意識を掴むことすら必死で、気に留られなかった。
小さな手が両手で握っても余るほどの自分の手に、温もりがじわじわと浸透していく。
それは、ひどく心地良い温度だった。
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