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記憶

記憶の片隅にあるあの凄惨な事故の光景。 __もう、7年。 片隅にある、とはいったけど、今でも夜になれば目の前に起こっているかのように、思い出す。その時の天気、風景、隣を歩いていた時の表情、……その人に関わること全て。何でも。 雪の日は嫌い。 昔、そいつのお陰で好きになりかけた雪も、そいつのせいでまた嫌いになった。 勝手で強引それでいて、とても優しいズルい奴。 ズケズケと遠慮なく人の心に土足で入る。決して開きたくなかった僕の心の扉をこじ開けた。 「今年も…だめ、か」 繋がれた管の先にある機械が、無情な音を立てる。一定の間隔をあけて鳴り続けるそれだけが、まだ彼が生きていることを告げる。 君のいない7回目の、君と出逢った夜がやってくる。

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