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お別れ①
後日、輝から志乃と男子生徒達の処分を聞かされた。男子生徒達は停学となり、志乃は主犯として退学処分が下った。どうやら他にも、恐喝や援交で他の生徒達を脅したり、言う事を聞かせたりしていたことが判明したようだ。
今回の強姦未遂の件を耳にした生徒達が、次々に告発したのだろう。生徒会書紀の志乃が起こした事件の処理に追われて、教師たちは大忙しのようだった。蓮斗も被害者として聴取をされたりもしたが、そのたびに輝が来て助け舟を出してくれた。
流石の蓮斗もあのときのことはあまり思い出したくはなかったから、輝の配慮には助かっている。
「そういえば、どうやって僕の場所がわかったの?」
いつも通り屋上でお弁当を囲みながら、聞き忘れていたことを尋ねた。その質問に、輝は蓮斗の胸元に刺さっているボールペンを指差しながら「ボールペンのおかげだよ」と答えてくれる。首を傾げると、蓮斗の胸元からボールペンを抜き取った輝が、クリップ部分に触れた。
「祖父はすごく心配症でね。この部分にGPS機能が組み込まれているんだよ」
「はあ!?そんなの聞いてないんだけど!??」
「あはは。言うのを忘れていたね。でも、そのおかげで蓮斗を見つけることができたんだ。祖父には感謝しないと」
GPSが仕込まれていたことを黙っていたことには動揺したけれど、そのおかげで助かったことも事実だ。そのため怒るに怒れない。
大きなため息をこぼすと、輝がボールペンを返してくる。受け取るのに躊躇してしまうのは仕方ないだろう。居場所が筒抜けなのは少し嫌だ。
「またなにかあるかもしれないから、持っていてほしい。悪用はしないと誓うから」
「……それなら……」
渋々受け取り胸元にしまうと、満足気に輝が笑う。その笑顔を見てしまうと、ますます文句は言えなくなってしまった。
「志乃はいつ出ていくの?」
話題を変えるように尋ねる。
「一週間後には学園を去るらしいよ」
輝が教えてくれる。その様子はどこか穏やかさを含んでいて、彼なりに志乃に対してけじめをつけたことが伺えた。
蓮斗はタコさんウィンナーを突きながら、今後どうしていくべきなのか悩む。このまま志乃と会わずに別れることもできる。けれど、それで本当にいいのかわからない。
アリステラとルキナの件は、許したことで終わりを迎えた。けれどまだ、蓮斗と志乃の確執は残ったままだ。
「蓮斗のしたいようにしたらいいんだよ」
そのことを輝もわかってくれているのだろう。そう言って背を押してくれる優しさに感謝する。
「うん。そうするよ。無事に終わったらウィンナーパーティーするからね!」
タコさんウィンナーを口の中に放り込み、噛み締める。今度こそ本当に最後だ。これから先、蓮斗と志乃が顔を合わせることはないだろう。
だからこそ、最後の機会を大事にしたい。
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