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おしまい

 ──本日はお忙しい中、当誌の取材をお受けいただきありがとうございます。 「とんでもない。こちらこそ、お声がけくださりありがとうございます」  ──劇団ノーデルリヒト一座において、今や押しも押されもせぬ人気俳優となったリン氏ですが、これまでの経験で特に苦労されたことはありますか? 「そうですね。自分は異国から来た身ですので、やはり言葉の壁はありました。発音やアクセントなど、かなり細かいところまで稽古の度に逐一直されていましたね」  ──なるほど。世間的には多言語を操る知的な名俳優という印象ですが、その裏には血の滲むような努力があったのですね。 「はい。ですが、劇団の先輩方や裏方の皆様、そして温かく見守ってくれたファンの方々に支えられて、今はこうして充実した毎日を送れています。本当にありがたいことです」  ──では、俳優として活動する中で、嬉しかったことや記憶に残っていることはありますか? 「記憶に残っている……そういえば、私が無名の新人だった頃、巡業である街を訪れたことがありました。二ヶ月ほど滞在したのですが、その時に熱心に私のことを応援してくれた人がいて。頻繁に公演に足を運んでくれて、花束を贈ってくれました。異国の地で役者を志すことの難しさをちょうど実感していた時期だったのですが、彼がいてくれたおかげで演劇を続ける勇気が持てました」  ──素敵な思い出ですね。今もその方はリン氏のことを応援してくれているのでしょうか? 「それが、分からないんです。というのも、彼はその街での最終公演にいらっしゃらなくて、その後すぐに私たちも活動場所を移してしまったので」  ──そうだったのですか。ですが、リン氏にとってはキャリアを継続するきっかけとなった重要な人物であることに変わりはないですね。 「その通りです。せめて、彼が今もどこかで幸せに暮らしていることを、私は心から願っています」 (了)

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