25 / 50

第4章 元カレとお世継ぎ問題 第1話

 話し終えたラトゥリオ様は、僕の髪を、頬をしきりに撫でた。僕は話の途中から涙が止まらなくなっていた。 「レオ」 「ラトゥリオ様っ……」  胸に顔を埋め、しゃくり上げる。僕は何も知らなかった。自分のことしか考えていなかった。彼がどんな気持ちで、僕を家族に会わせたいと思ってくれたのか。アントス様に世界を託して、命に代えて僕を元の世界へ帰そうとした。何て無茶な、と思ったけど、彼なりの理由と覚悟があったんだ。……やっぱり、責任感で死ぬタイプだな。   ほぅ、と息をつく。彼の胸に、そっと手を当ててみた。うん、生きてる。生きてるんだ。 「複雑な思いがあるだろうが……お前には、知ってほしかった」  鼓膜を震わせる低い声に、魂が溶けていく。 「大丈夫です。話してくださってありがとうございます」  安心させたくて、チュッとキスをした。僕のファーストキスは衝撃だったけど、彼にとっても衝撃だったんだな。「どの世界から来た」と聞かれたわけも、これで分かった。  深まった謎もある。なぜ僕に、中和の力があるんだろう? 元の世界の人間には当たり前に備わっているとか? 今のところ、手のひらから稲妻を出したことはないから、ほかの力を併せ持っているのかどうかは分からない。分からないけど……こうしていると、気持ちよく眠たくなって……。 「レオ? ……おやすみ」 「ん……」  おやすみなさい、大好きな僕の王様……。

ともだちにシェアしよう!