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プロローグ

 王宮で最も広い大広間は、無数の蝋燭が灯る巨大なシャンデリアが光の雨を降らせ、夜の帳を寄せつけぬほどに明るかった。  楽団がのびやかに曲を奏で、喧噪と熱気に包まれる中、マントを濡らした騎士――カイン・ド・アルベールが、ぞっとするほど冷ややかに俺を見据える。 「エドワード・リーヴェンス・グランディエール殿下。妹が、何か殿下のお気に障ることでもしましたでしょうか?」  慇懃で落ち着き払った口調には、咎めるような響きがあった。  彼のような屈強な騎士に不快感を露わにされれば、たとえ王子であっても言葉を失くし固まるのは当然だろう。ただ、俺が今、呆然と立ち尽くしているのは……。 (……近くで見るカイン……、かっこよ!)  生の推しが目の前にいるという現実に、打ち震えていたからだった。

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