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prologue
月の良く見える、からりと晴れた夜だった。
剥き出しの首を風が冷やし体を震わせる。
嗅ぎ慣れない独特の香りに胃液が上がってくるのを、必死で堪えていた。
『……ねえ、秘密にしてくれる?』
『そんな……』
大丈夫、少年はただそう呟く。
簡単さ、ただ口を閉ざすだけ、たったそれだけさ。
君ならできるだろう、そう言って少年は微笑む。
『僕のこと助けて』
助けを求める声に握りこんでいた手を開き、きつく唇を噛むと首を縦に振る。
あの光景は一度だって忘れたことはない。
誰にも知られてはいけない二人の秘密は、今もあの笑顔と共に閉ざされている。
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