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第34話 薬草洗い。

 今日も早朝、薬草畑の仕事をしてから自室に戻り朝食を軽く摂った。  最近性交渉で受け身になってしまってから、異様に身体が重怠く感じるようになってきたようだ。  深く溜息を吐いてから、私は薬草を洗いに庭に出た。  そして今日も妖精ちゃんの気配は感じない。 たとえ彼女が傍にいなくても、教会の神父である私のやるべきことは沢山あるうえ休むことは出来ない。 「神父様、おはようございます」  声をかけてきたのはミカエルだった。 「おはよう、ミカエル。……私は今とても忙しいです」  私は防御しながら迎えると、ミカエルは微笑んだ。 「僕だって年中発情してるわけじゃないので、今は安心してください。神父様に指一本触れず、学校に登校することを誓います」  似たようなことを言われて安心しきったところを狙われたこともあるのだから、防御の姿勢は崩せても警戒を解くことは出来ず身を固くした。  けれど彼は薬草を籠から取り出すと、私の見様見真似で洗い始めた。  どうやら手伝ってくれるらしい。 「ミカエル、ありがとうございます」 「はい、神父様。僕は下心ありなんです、お礼は必ず戴きますね」  やはりミカエルも相変わらず邪なことを私に求めるつもりらしい。  こんなくたびれた神父の何処がいいのだろうか。 「神父様にお話しておきたいことがあって、訪ねました」 「私に話したいこと?一体なんだい」  警戒しながらも私は聞いた。 「最近街の音楽学校の先生が臨時講師として来てくださってるんです。……セドリックの知り合いらしく、けれど会うのを嫌がっているんです。今日もアイツ学校休むかもしれないので、教会に来たら学校に登校するように伝えてください」  街からの音楽の先生と言うことは、まさかダニエル教官だろうか。  もしそえであれば、私もあまり会いたくない人物だけれど、私は大人だそう言ってはいられない。 「分かりました、伝えておきます。……ミカエルのおかげで薬草が早く洗えました。お礼が欲しいのでしょう、学校前に少し休憩にしましょう」  私は洗った薬草を運びながら、ミカエルを教会に招いた。  ミカエルは宣言通り、私に指一本触れることなく学校に登校していった。  根は良い子なのかもしれない、と、彼を改めて見直した。

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