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第46話 神と等しく愛する人。

 村に帰れたのはダニエル教官が治療施設へ収容された一ヶ月後のことだった。  教官も家族や身よりがなく、手続きや面会に来るは者は居なかったので、私が様子を見に行っていたから村に帰るのが遅くなってしまった。  収容された教官は穏やかに微笑んでいた。  だからこそ気付いた、事情聴取を受けた青少年達はちぐはぐなことを言い、ダニエル教官は責任能力を問えない状態だと判断されるよう手回しをしたのだと。  死罪を免れたけれど、この人は一生その罪を背負いここで生きていくのだ。  私は治療施設の人に頼み込み、部屋にピアノを入れる許可をとった。  許可がおりてから面会に行ったとき、教官はピアノを弾いてくれた。  それは私の一番好きな優しい曲、セドリックが街の音楽学校へ進学するとき、門出を祝って私が弾いた曲だった。  村の教会奥にある自室でその曲を思い出しながら、グランドピアノ下に寝転がる。  あれから妖精ちゃんの姿は消えてしまった。  セドリックに妖精ちゃんのことを聞いた。 「妖精ちゃん、そんな子いたっけ……?」  神の使いである妖精ちゃんの存在すら消えてしまっていた。  夢だったのか……、と、そう思いながらポケットに御守りとして入れていた袋の中身を確認した。  あのとき二つに切り分け合った、セドリックからもらったリボンタイは変わらず半分だ。  やはり妖精ちゃんは私の夢ではなく、存在していたことに確信が持てた。  もしかしたら神父の私に、神と等しく愛する人物が出来てしまった私への罰なのかもしれない。 「アルフレッド。こんなところでうたた寝してると、風邪引くよ」  その神と等しく愛する人物は、私の横に寝転がっている。 「あなたまで寝転がるならば、私に注意する説得力は感じないですね。セドリック」  セドと私はグランドピアノの下で、神から隠れるようにじゃれ合いながら口付けを交わした。  少し前までの私なら、彼を愛するなんて許さないだろうけれど、傍にいてほしいと思う相手はこの人なのだ。  神父が神以外を愛するなんて、そしてそれが同性なんて、禁忌以外の何物でもない。  けれど、私の人生で彼はとても重要だったと納得してしまったので、こればかりは神に懺悔しなくてはならない。 fujossy無料版 完  J庭60にて、加筆修正と書き下ろし(番外編濃厚セックスシーン)を追加して自費出版します。  そちらもどうぞよろしくお願い致します。

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