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「飲み会しましょー!」
定時過ぎ。皆が帰り支度している最中、大林まなとは握り拳を天に突き上げて言った。
瞬間、皆は顔を見合わせ、「急には⋯⋯」「ちょっと、ねぇ⋯⋯?」と微妙な反応をした。
「え、無理みたいな感じですか?」
「これから友達と会う約束をしていますし⋯⋯」
「吉田さんは?」
「私、推しのライブがあるので」
「それは無理ですもんね〜? じゃあ飯森さんは?」
「僕は妻とディナーがありますので⋯⋯」
「あ⋯⋯あ〜そっか〜⋯⋯。じゃあ、行けなさそうですよね〜」
「お疲れ様です」と各々がそそくさと出て行き、ぽつんと一人残った大林は深くため息を吐いた。
せっかく仲良くなるチャンスだったのに。
けれども、やっぱり急には無理か。無理だよねと自問自答していた大林は自嘲にも似た笑いをし、帰ろうととぼとぼと歩き、ある部署に差し掛かった時、人を見かけた。
あの人は確か⋯⋯。
「総務課の細貝さん、ですよね」
「え、えぇ、まあ、そうですけど⋯⋯」
「あの突然ですが、飲みに行きませんかっ?」
「は⋯⋯え、あー⋯⋯」
「これから予定はないですか?」
「まあ、ないですけど⋯⋯」
「じゃあ、行きましょっ」
戸惑っている細貝のことは露知らず、大林は内心ガッツポーズをした。
二人きりでも楽しみだなぁー!
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