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振り向く細貝が驚いた顔を見せ、ハッとしたが遅い。 「細貝さん。慣れた様子ですが、よく行くんですか?」 「いや、今回で二回目ですが⋯⋯」 「二回目⋯⋯? ってことは、あの人事の人と行ったんですか」 「人事⋯⋯? 何の話ですか。その初めても今回も大林さん、あなただけですよ」 「へ、ぇ⋯⋯?」 「⋯⋯いくらなんでも覚えてなさすぎですよ⋯⋯」 「え、何か言っ─⋯⋯」 大林の胸倉を掴んだ細貝が唇を押しつけた。 大きく開いた瞳孔が揺れる。 細貝からそんなことをするなんて。だが、この感触覚えがある。 じゃあやはり、初めても細貝と。 「それは覚えているんですね。じゃあ俺にしたことは覚えているんですか?」 「したこと⋯⋯?」 キスをした以外に細貝に何をしたというのか。 呆けた顔をして思考を巡らせていた時、痺れを切らした細貝が言った。 「⋯⋯っ、俺の尻に指を突っ込んで、前立腺と呼ばれるところを押したことですよ! 本当に覚えてないんですかっ!」 目に涙を浮かべ、これ以上ないぐらい真っ赤にして細貝が怒っている。 あの細貝がこんな感情的になるなんて。 そうなった原因は自分ではあるが、本当に一切覚えてない。が、ただ覚えてないと言っても細貝の怒りが収まるはずがない。ここはひとまず。 「えー⋯⋯と⋯⋯。こんなところに連れて行ってしまった挙げ句、そのようなところを許可なく触ってしまい、申し訳ございません」 「本当です。あの日以来、あの時の快感⋯⋯が、忘れられなくてもどかしいんです。責任取ってください」 責任⋯⋯? と頭の上に疑問符を思い浮かべたのと、細貝がおもむろにズボンを下ろしたのは同時だった。

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