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第10話:隊長の特権※
はぁ……と獣の息遣いのような音が聞こえた。
昂る気持ちを行動で示すかのように、シュヴァリエはルッツのきめ細かな白い肌に手を伸ばしてくる。頬から首筋に、薄く膨らむ胸に、僅かに筋肉がついている腰に。全身をゆっくり愛撫していく。
執拗にそれを繰り返しながら、胸の飾りを舌が這うたびに、ルッツの身体は小さくピクリと震えた。未だにそんな初心な反応を見せる自分が情けなかった。
「シュヴァリエ隊長……前戯は不要です。そんな事をしても貴方は気持ち良くならない。準備は出来ているので早く挿れてください」
「しかし……」
「は、早くシュヴァリエ隊長が欲しいの、です……! えっと、滅茶苦茶にしてほしいです……!」
ルッツは事前に予習をしていた台詞を口にした。こう言えばアルファは悦んでくれると噂を聞いたからだ。
どうやら効果はあったようで、そう告げた瞬間シュヴァリエの喉が上下する。煽るようにルッツはシュヴァリエの下腹部に手を這わせるとその下にぶら下がっているものが固くなっていく。
先ほどより膨れたアルファの陰茎は、ルッツのものと比べ物にならないくらい大きい。
元々オメガの陰茎は小さいとは言え、雄としての力強さをまざまざと見せつけられているようで悔しかった。いや、だからこそ男の自分にも興奮してくれているのかもしれない。
(オメガが聖グローリア騎士団に入隊出来る条件はよく知らない。でもこれ以外に思い浮かばない。アルファにとってオメガはそれほどまでに情欲を煽る存在らしいから……性処理の仕事を頑張らなければ……)
魔物討伐は肉体的には勿論、精神的にもとても過酷だ。
今回は過ごしやすい時期の何度も来た草原だが、真冬の雪が積もった山など、過酷な環境に足を踏み入れないといけない場合もある。
体温管理が難しい野外の固い寝床、いつ敵が襲ってくるか分からない緊張感……騎士のまとめ役であるアルファの隊長は、その立場上大きな責任とプレッシャーを抱えている。なので精神安定のため、オメガを連れて来れる特権を持っているらしい。
ルッツはその精神安定の方法が、性行為なのだと解釈していた。
だからこそシュヴァリエを気持ち良くさせる事が自分の仕事なのだと、これが一番彼の役に立てる行動なのだと思い込んでいた。
「……ルッツ、後ろを向いて」
シュヴァリエは昂る気持ちを落ち着かせようと何度も大きく深呼吸をしている。
だが震える吐息は強烈な欲望の色を含んでいた。ねっとりとまとわりつくような呼吸に、ルッツは唇をきゅっと噛みしめる。
言われた通りに後ろを向いて四つん這いになり、臀部を差し出すように腰を持ち上げる。男性にしては肉付きの良い中性的な尻たぶを大きな手で揉むように掴まれた。
僅かに左右に割り開かれ、シュヴァリエはその奥にある蕾に指で触れる。
ルッツが準備出来ていると言った通り、抵抗感もなくあっさりと指は咥えられてしまった。内側は専用の香油と分泌された愛液で湿っている。
「あっ……ん……」
指を入れた瞬間、ルッツの身体にぴりぴりと弱い刺激がじんわりと広がる。
反射的に口から零れた嬌声に自己嫌悪を覚え、これ以上言葉が出ないように下唇を噛んだ。
「俺が優しくほぐしたいのに……」
小さな声は指で中をかき回される快感と粘り気のある水音で、ルッツの耳には届かなかった。
確かめるように1本ずつ指を挿していき、咥えられた3本の指をバラバラ動かされる。ルッツのものより長くい指が内壁を擦るたびに、気持ち良さで肘が折れそうになる。昇り詰める強い射精感に、このままではまずいと振り返って声を上げる。
「本当に、大丈夫ですので……は、早く……」
「ああ、焦らしてすまない」
指が全て引き抜かれて、代わりにシュヴァリエの凶器のように大きな陰茎の先端が押し当てられる。避妊用のゴムをつけられたそれは、もう我慢できないとまるで涎のようにぽたぽたと先走りを零す。
「ゆっくり挿れるから、力を抜いて」
本当は一気に挿しこんでしまいたいだろうに、シュヴァリエは決して独りよがりで無茶苦茶に腰を振ったりしない。
ルッツが大きく呼吸をして力が緩んでいる間に、少しずつぐぐぐと押し込んでいく。
もう身体を重ねて何度目になるのか覚えていない。すっかりシュヴァリエの形を覚えてしまった後孔が根元までしゃぶりつくすまでそう時間はかからなかった。
「あ、あう……」
「ルッツ、大丈夫かい?」
「へい、き……です。う、動いて……」
覚えてしまったと言っても慣れてしまったわけではない。
シュヴァリエの陰茎は、挿れただけでルッツが最も感じやすい弱い部分に当たってしまう。力強く律動されれば、いつもルッツは呆気なく溜まった白濁を吐き出してしまう。
そんな調子なのでいつもシュヴァリエを満足させられているか不安だった。
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