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第34話:世界一大好きな旦那様※

   静かな夜闇の中、シュヴァリエの獰猛な獣のような息が聞こえる。  指が無くなって寂しそうにひくひく動く後孔にシュヴァリエの陰茎が押し付けられていく。熱せられた杭のように固く力強い剛直が内壁を押し広げながらゆっくり侵入してくる。 「はぁっ……ああっ……!」  焦らすようにゆっくり這い進むそれは指では届かないような奥まで潜り込んで主張してくる。ぴっちりと咥えているからこそ、その形もそれがどんな状況なのかもよく分かって嬉しくなる。 (シュヴァリエ隊長も感じている。嬉しい、いっぱい気持ち良くなって欲しい……)  奥までコツンと当たると、全身を突き抜ける刺激に身が震える。この心地よさは、単純な快楽だけではない。愛するシュヴァリエが強く感じていると分かるから、歓喜で心も身体も満たされているんだ。 「痛くないか?」  シュヴァリエは心配そうにルッツの顔を覗き込みながら尋ねる。瞳は相変わらず興奮しきっているのに、下がった眉からは不安を感じ取れる。本当は今すぐ勢いよく突き上げたいだろうに。 「平気、です。なんだか今日は不思議なくらい、貴方と繋がれて幸せなんです。貴方にもこの幸せを分けたいのに、どうすれば良いか分からないなんて困ったものです」  ルッツは縋るようにシュヴァリエに手を伸ばす。首の後ろに腕を回し、抱きつくように身体を密着させた。抱きついてくれると思っていなかったのかシュヴァリエは驚いたかのように硬直している。  ルッツは困惑しているその頬に何度もキスを落とした。チュ……とわざとらしくリップ音を鳴らせば、腰を掴む手のひらに力が籠もる。  次の瞬間、シュヴァリエが腰を引いたかと思うと、すぐさまルッツの弱い部分に勢いよく陰茎が叩きつけられた。 「あ”あ”あっ……ん、ぁ……う”ああ……!!」 「っ、は、あまり煽らないでって言ったのに、悪い子だね」  先ほどまで控えめな動きが嘘であったかのように、激しい律動がルッツの全身を揺らす。 だらしなく開いた口から零れる唾液を気にする余裕もなく喘いでいたら、シュヴァリエの手がルッツの頬を包む。そして間髪入れず噛みつくかのような力強いキスが重ねられ、舌が入り込んできた。 「んむ……う……」 「ふ……可愛すぎ。ああ、本当に好きだなぁ」  温かい舌が、ルッツの口内を暴れまわる。引っ込もうとしていた舌も絡めとられ、自分の身体なのに上手く動かせない。絡め合うたびに鳴り響く水音が羞恥心を煽る。それさえも気持ち良くて、ルッツも必死に舌を伸ばしていた。 「シュヴァリエ隊長っ、ん……気持ちい……好き……もっと、もっとぉ……」 「えっ!?」  シュヴァリエは殴られたかのように勢いよく顔を上げた。顔は熟れた果実のように真っ赤になり、瞳は動揺と感動で潤んでいる。動きが完全に停止したシュヴァリエをルッツは不満そうに見上げていた。 「うぅ……止めないでくださいよぉ……」  ルッツはシュヴァリエの顔が離れたのが嫌で自ら唇を重ね合わせた。舌で突きながらシュヴァリエの口をこじ開け、小さな舌を必死に動かしながらシュヴァリエを求める。  頬を赤らめるシュヴァリエを見るのは初めてではないが、ここまで真っ赤になって動揺しているのは初めてだ。何かを言おうとするシュヴァリエの唇をルッツは塞いで舐めあげていく。 「意地悪はいやです……もっと貴方が欲しい。お願いします、僕も頑張るので、もっと僕で気持ち良くなって……」 「ルッツ一旦待って! 意地悪したいわけでなく、今まで気持ちいいなんて言ってくれたことなかったから俺も動揺してて、あの……」  首を振って唇から逃れたシュヴァリエの言葉を無視し、ルッツは今度はシュヴァリエの耳朶に舌を這わす。鼓膜を揺らす水音にシュヴァリエの身体が震えた瞬間、ルッツはふっ……と笑って口を開けた。 「世界一大好きな僕の旦那様……可愛い……」  ルッツの内側に収められたままのシュヴァリエの陰茎がビクンと大きく脈打った。  次の瞬間、シュヴァリエはルッツの両肩を掴んで思い切り引き離す。挿さっていたものが後孔から引き抜かれた瞬間、その陰茎から勢いよく熱が噴き出てきた。 「へ? あ?」  ルッツは一瞬何が起きたのか分からなかった。ただ熱く濃い白濁が、腹をべったりと濡らしている。一拍置いてシュヴァリエが射精したのだと気付いた。いつもはルッツが先に果てて倒れ込んでしまうので、理解が遅れてしまった。 「シュヴァリエ隊長……?」  ルッツがシュヴァリエの顔を見上げようとした瞬間、身体が反転する。向き合っていた身体はベッドシーツの方を向き、顔面にぽふんと枕が当たった。  シュヴァリエは驚いて固まっているルッツの腰を掴み、臀部を持ち上げた。  

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