19 / 21

第19話

一回乗換を入れて、ちょっと電車で人に揉まれながらようやく辿り着いた。 まずは、無料エリアをゆっくり歩きながら、入り口に向かって歩く。 「丁度いい天気だね」 水流さんがいつの間にか隣に来て話しかけてきた。 電車では場所を交代する事が無いから、ほとんど堤谷に会話を任せていたので、まさか俺に話しかけてくると思っていなくて、ちょっとビクついてしまった。 歩きになると、自分で場所を変えられるから、いきなり話しかけられる事もあるんだな。 気を抜かずに頑張らねば。 「そう、だね。暑過ぎもしないし、雨も降ってないし。丁度いい感じ」 一言返すだけでも緊張する。 「まだ朝だから、何となく光も清々しいよね」 水流さんの向こうから、菖蒲も話しかけてくる。 そうか、こういう、色んな人が話に入ってくるって言うのが歩きなのか。 やばい。どこから誰が何を言うのか分からないとか、恐怖なんだけど。 俺、こんなに人と関わり慣れてなかったっけ? 「午前中の日差しって何か気持ちいい感じするよな~。空気も良い気がする」 水流さんの後ろ辺りを歩いている堤谷も参加する。 『だな』とか言ってみるけど、女子がいるって言うだけで、非常に緊張するんですけど。 男子だけだったら、別に無視しても気付かなくても気にならないのに。何故だ。 「あ、アプリって、あの入り口で始めないと駄目なんだよね」 木谷さんが見え始めた入り口を指してスマホを手にする。 そう言えば、入り口辺りで何かを読みとるって書いてあったな。 サイクルセンターで自転車借りる時にも支払いが必要だしな。 入り口に着くまでに、とりあえず支払いが出来るように準備する。 丁度、開園(かいえん)の九時に間に合った様で、各自スムーズに自転車を借りて、アプリも開始する事が出来た。ナゾトキ用の冊子も貰った。 こういう事がスムーズにいくと、結構気持ち良い。 とりあえず、各自の(サドル)の高さを合わせた。 こういう時に役立つのは、何度も自転車を解体した事のある和樹と俺の知識だ。 まぁ、(サドル)の高さ合わせくらいなら誰でも出来るか。 まずは入り口付近で一つ目の謎を解いた。最初の謎としてはなかなかいい問題だった。 アプリのデジタルマップを開いて、次の目的地を確認して出発だ。 先頭は、熱い男、堤谷。 間に水流さんと菖蒲を挟んで俺が走り、後ろに木谷さんと和樹がいる感じだ。 多分、何か問題があっても和樹が対処できるから大丈夫だろう。 「凄い気持ち良い」 水流さんと菖蒲がキャッキャしながら立ち()ぎしてギュンギュン走る。 流石、スポーツ系女子。ゆっくり走るとかじゃない感じだ。 木谷さんは、初めの内はちょっと遅れ気味だったけど、和樹と何か話してからスピードが上がってきた。 一応離れ過ぎないように中間を維持していたんだけど、その気遣いも要らないくらいにぐんぐん追いついてくる。 何を言ったのか非常に気になるんだけど。 十分もしない内に、駐輪場(ちゅうりんじょう)に到着だ。 丁度九時半くらい。和樹の計画表(タイムスケジュール)は完璧だ。 駐輪場の側にある花畑は、朝の光にキラキラと光って凄く綺麗だ。 ここでも、アプリでゲームがある。 「この水色に一番近い人が勝ちね」 木谷さんが異常にテンション上がっている。 マジで、和樹は何を言ったんだ。

ともだちにシェアしよう!