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第22話

俺たちが買って帰った時には、まだ和樹と水流さんは帰っていなかったが、堤谷と菖蒲は非常に盛り上がっていた。 どうやら、この周辺で出来るアプリがもう一つあるようで、四つ葉(よつば)のクローバーを探したり、特定の形の葉っぱを探したりしていたらしい。 堤谷はコミュ力が高いので心配ないが、菖蒲は割と人見知りタイプなので心配していたんだが、菖蒲の人見知り力よりも堤谷のコミュ力が上回ったようだ。 並びながら牛串を食べた事を軽く怒られたが、とりあえず和樹たちが帰って来るまで残りを探すことになった。 買ったものは、温かいうちに食べるのが一番美味いとはいえ、こういうのは全員揃ってから、一緒に食べないと駄目なんだよな。知っています。 レジャーシートからあまり離れない場所で、全員で探すことになった。 これが意外と楽しい。 『これどうかな』と一人が言うと、みんなでアプリと見比べて、ビンゴになるように別のも探して、見比べて。 あっという間に時間が経っていた。 すっかり夢中になって、荷物からだいぶ離れてしまっていることに気付いて振り返ると、既に和樹と水流さんが帰って来ていた。 「夢中になるのも良いけど、荷物がほったらかしですよ~」 水流さんが楽しそうに笑って、鞄からウェットティッシュを取り出していた。 和樹と二人で並んで座っているのが、まるで夫婦みたいに見えた。 割と水流さんって家庭的な人なのかもしれない。 「食うぞ」 こっちが待っていた筈なのに、何故か待たせてごめんと謝りながら戻った。 さっきよりも、美味しそうな匂いがしている気がした。 ロコモコ丼が良い匂いなのかな? 水流さんに貰ったウェットティッシュで手を拭いたら、みんなでお昼だ。 当然、俺は和樹のロコモコ丼を一口貰ったんだけど、他の人ともシェアする感じになるのは違うなとワガママな事を思ってしまった。 それが伝わったのか、最初からそういうつもりもなかったのか、水流さんが和樹に一口くれと言うのを、和樹が素っ気なく断った。 「私も、ちょっと一口頂戴」 と、何気ない風に水流さんが和樹のロコモコ丼にスプーンを伸ばしたのを、和樹がすっとどんぶり(・・・・)を逃がして避けたのだ。 「これ以上食われたら俺の分が無くなるだろ」 ていう感じ。 水流さんの手の伸ばし方が凄く自然で、なんだか親し気に見えたの。 和樹の避け方も、何か、仲良くなっている気がする。 なるほど。 これが独占欲(どくせんよく)というものか。 いや、所有欲(しょゆうよく)というやつか? 何か分からんけど、非常にムカムカする感情であることは間違いなかった。 それはそれとして置いておいて、ナゾトキをしながらみんなでワイワイ食べた。 この後は誰も他の人のを食べようとはしなかった。 そんなもんだよな。 仲良くないと、一口頂戴とか、言えないよな。普通。

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