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第23話

十一時半。 ちょっと早いけど、ご飯も食べ終えちゃったし、次の花畑に移動することになった。 和樹のレジャーシートを畳むのを手伝おうと思ったら、水流さんが既に手伝っていた。 何か、いちいち二人の距離が近付いた気がしてモヤッとする。 堤谷のレジャーシートは菖蒲が手伝っているし、俺はどうしようかと考えていたら、木谷さんが皆のゴミをまとめてくれていたので、『ありがとう、捨ててくるよ』と受け取った。 駐輪場から自転車を取って来て、二つ目の花畑に移動する。 ここでは、ポピーが咲いていた。こっちはまさに見頃(みごろ)だ。 駐輪場に止めて、また色探しをしようとしたら、何故か、何かを待つようにカメラを構えている人たちが並び始めた。 十二時になる少し前だ。 「あ、もしかしたら、シャボン玉やるのかも」 水流さんがそう言うと、何やらスタッフの人達がたくさん出て来て、一斉にシャボン玉を作り始めた。 ポピー畑に、シャボン玉の大群が襲ってきた。 すげぇと見惚れていたら、隣で皆がスマホを翳して動画に収めていた。 これは確かに動画を撮るべきタイミングだな。 とは思いながらも、俺は一枚だけ写真を撮った。 動画だと、どうしても見返さなくなるからな。でも、動画撮った方が母さんとかは喜びそうだけど。ま、面倒だし良いか。 結構な時間、シャボン玉が飛ばされていた。 俺たちは、最初の数分だけ動画や写真を撮って堪能して、後は他の人が動画や写真を撮るのを邪魔しないように端に寄って、遠くから楽しむことにした。 次にどこ行こうかと相談しながら。 三十分程でシャボン玉の放出(ほうしゅつ)が終わり、人の波も流れ始めたので、俺たちは色さがし選手権を再開した。 なかなかこれと言った色が見つからなくて、結構盛り上がった。 今度は、堤谷がなかなかいい色を発見して一番。水流さんが二番という事になった。 満足したので、隣のアスレチックが集まっている場所へ移動する。 駐輪場を替えても良いのだが、どうせすぐ側だし、面倒なのでそのまま遊具が集まる場所へ歩いて向かった。 ここでも、アプリでゲームが楽しめるらしい。 まずは、大きなトランポリンを全身で堪能(たんのう)してから、色々なアスレチックに隠されたマークを探してあっちに行ったりこっちに行ったり。 人は結構いたけど、六人いると、ちょっと気が大きくなるのか、それなりに楽しめた。 他人の邪魔はしてないと思う。多分。 ゲームもクリアして、ナゾトキもゴールが分かったので、また先程までレジャーシートを敷いていた場所まで戻ることにした。 一時間ほどアスレチックで遊び回ったので、汗をかいた身体に自転車の風が気持ち良かった。 やっぱり、スポーツ系女子なだけあって、みんなで楽しめて良かった。 菖蒲は、汗っかきらしく、『めちゃくちゃ汗かいちゃった』と言う言葉通り、本当に結構な汗をかいていた。逆に、水流さんはあまり汗をかかない体質らしく、汗はかいてなかった。その代わり、顔が真っ赤になっていた。 ちゃんと和樹が持ち物にタオルって書いてくれていたので、汗だくの俺たちと菖蒲は水道で濡らしたタオルで結構しっかり拭ったりして。 因みに、木谷さんはちょっと汗ばむ程度だった。と言うか、割と運動神経が悪いようで、見ていてハラハラする感じだった。 たまに、家族で来ているだろうキッズに、『お姉ちゃん大丈夫?』って心配されて『だ、大丈夫です』って何故か敬語で答えていた。 それはそれで、『割と、こういうのも楽しいものですね』とか言っていたから、良かったと思う。

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