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ストライク1:ご褒美は、元チームメイトとの抜き合いでした
『今日のヒーローインタビューは、移籍後、初勝利をあげた織部雅 投手です!』
プロ9年目、ようやく初勝利をあげることができた雅は、スタンドのファンの目線が全方位、自分に向けられていることに気づくとお立ち台で武者震いを覚えた。
──いま、チームのファンが全員、オレだけを見ている……?
ぐるりと雅はスタンドを目線だけで見渡すと、雅のボードや名前入りタオルを掲げたファンのひとりひとりと目が合っているような気さえした。
『どうですか、いまの気分は?』
どうもなにも、この視線を忘れないうちに、一刻も早く部屋に帰って、アレをしたくて仕方ない。
そう、なにを隠そう、雅は恋人いない歴27年、つまり誰ともセックスをしたことがない正真正銘のオナニストだ。
それも、性的嗜好は見られて興奮するゲイ。つまりマゾでもある。
「はい、たくさんの人に見て……いや、応援していただき、最高の気分です。早く帰って……あ、このあともトレーニングしたいと思います!」
『し、試合のあともトレーニングですか!? さすが、剛速球の織部投手。そういう秘密のトレーニングがあったんですね!!』
まぁ、秘密と言えば、秘密だが……今夜は特別な夜になるに違いない。
先発したあとのオナニーは勝っても負けても気持ちいいものだが、今日は初勝利を掴んだとっておきの日だ。
いまから気持ちが高ぶって仕方ない。
──っていうか、いまもちょっと勃ちそうだけどな。
ヒーローインタビューや囲み取材を終えた雅はシャワールームへ向かう。
汗を流していると、他のチームメートから「ほんとにこのあとジム行くのか?」と聞かれた。
どうやら初勝利のお祝いにご飯へ行かないか、という誘いらしい。
「ありがとうございます。決まったルーティンがあるんで、また今度お願いします」
雅は丁重に断り、ロッカールームで着替えを済ませ、さっさと自分の車へ乗り込んだ。
──もう、車のなかで抜きてぇ……。
出待ちをするファンが、規制のロープ前に群がり、雅の名前を必死に呼んでいる。
まさかこのあと、まっすぐひとりの部屋に帰り、自慰に耽るなんて、だれひとり想像していないだろう。
そう思うと顔がにやけてしまい、下半身に熱がしっかり集まってしまった。
『みやびくーん! こっちむいてー! だいすきー!』
『おりべーっ! おつかれさまー!』
黄色い声援や野太い声が響き渡るスタジアムの駐車場を颯爽と雅の青いスポーツカーは駆け抜けた。
すると突然、スマホが鳴る。
「だれだ?」
車を路肩に寄せて、カープレイに繋ぐと相手は、前の球団で一緒だった多川幹也 だった。
同世代のピッチャーで、雅が移籍するまで常に行動を共にするくらい仲良しの選手だ。
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