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第6話:ホワイトバレンタインデー(未来編)

大晦日のあの事件から2ヶ月が経った。 季節はバレンタインデーだ。 竜二くんもうちの店で働き始めてすっかり慣れてきたようだ。 「河崎さんここの品出しまだっすよね。俺やっときます」 「ああ、お願いするね」 仕事上では僕のことを他人行儀で声をかけてくるこの子に成長したなと思ってしまう。 昔だったらコンビニに用もなく入ってきて無駄話とかしてきたのに今は黙々と接客と仕事に集中し、立派な戦力となっている。 心なしか品揃えも微妙だったコンビニも彼が入ってきてから結構変わった。 一生懸命に品出しをしている竜二くんを見ていると、少しニヤついてしまう自分がいる。 まさかこの子と一緒に働ける日が来るなんてなぁ…。 せっせと品出しをしている姿は様になっていて、若者の働く姿はいいなぁと思ってしまう。 うっかり見とれていると他スタッフが声をかけてきて交代の時間がきた。 「河崎さん代わります。何かありますか?」 「あ、もう17時か。大丈夫、特にないと思うよ。花梅くん、上がりだよー!」 今日は土曜日。バレンタインデーはとうに過ぎてしまったが、まだ棚にチョコの在庫が売ってある。 早く売れ切ってくれないかなぁと思って店長と相談してセール品にしたけどまずまずだ。 そうこう考えているうちに花梅竜二こと、竜二くんが嬉しそうに僕のほうをチラッと見る。 視線だけでなんとなく察してしまい、顔に熱がこもる。 ああ、そうか…今日はそういう日かぁ…。 無言でバックルームで制服を脱ぎ、お互い私服で出てくると竜二くんが他スタッフにぺこりと頭を下げている。 なんだかんだで律儀な子に、外見と内面があべこべな気がするなぁと思う。 笑顔で引継ぎスタッフに見送られ、僕と竜二くんはコンビニを後にすると、竜二くんが声を発した。 「今日さ、夜、いいかな」 「……うん」 もう散々ヤっているのに、なんだか無性に恥ずかしい気持ちになってしまう。 また僕のアパートかな?と思っていると竜二くんが僕の傍にすすーっと寄ってくる。 そしてひそひそ声で囁くのだ。 「安いけど、いいホテルあるんだよ。そこ行こう」 「えっ…、ま、まぁいいけど」 ホテルかー…何だか以前飲み屋で行きずりになって入ってから竜二くん気に入ってるなぁ。 安いところ見つけたってどんなとこだろう? 気になるけど人通りのある道だから聞けなくて一人で悶々と考えてしまい赤面してしまう。 「適当なところで夕飯食べていこうぜ」 快活に笑う元気な恋人は僕の手をひいて駅前まで歩き、よくあるチェーン店の食事処へ入った。 食事中やけに楽しそうに食べている竜二くんに僕はそんなにこの先のことを?と思いいたたまれなくなる。 彼の性欲に付き合うのは自身の年齢的に辛い所だが、好きだから限界まで毎回付き合ってしまう。 夕飯は軽めにしよう、と思い定食とか食べたかったけどあっさりした食事にした。 サバの味噌煮でいいかなと思い、注文すると竜二くんは唐揚げ定食を注文している。 いいなぁと思いつつ、今後のこと考えると唐揚げ定食は重いなと思ってしまう。 「ねぇ、ホテルとか、そういうのどこで見つけてくるの?」 「んん?えーと…学校の帰り道」 「…………」 竜二くんは帰宅部で、学校が終わると真っすぐ帰ってくる。 合い鍵を持っているから僕より先にアパートにいることが多いけど、空いた時間にそんなことを??? 「勘違いすんなよ?正義。通学路にホテルがいっぱいある道があんだよ」 少し照れくさそうに眼を伏せて竜二くんは言い訳の言葉を紡いでいる。 そうか、通学路にラブホテルがいっぱいあるのか…。 なんだか教育衛生上宜しくない気がするが仕方ないのかなぁと思う。 話している間に店員さんが食事を運んできたので、二人とも無言でせっせと食事を口に運ぶ。 考えることはこの先のことだ。 そういえばまだ、バレンタインのお祝いしてないなぁと考えていた。 竜二くんもコンビニで働き始めて毎日夕方から夜にかけて一緒にいるから、それに満足してしまっていた。 チョコレート今更だけど買っておこうかなぁ。 けど彼の前でチョコを買っても即バレるだろうし、諦めるか……。 考え事をしているうちに食事は完食し、竜二くんも食べ終わっていた。 会計を済ませ、店を後にする。 「ちょっと電車乗るよ」 「うん」 電車に乗りこみ、ガタンガタンと揺れる車両で日が落ちた外の景色を眺める。 まだまだ冬だなぁと思い着こんだガウンに手をぎゅっと握る。 「ここで降りよう」 竜二くんの言われるがままに駅へ降り立ち、少しさびれた道を歩くとビビッド系の明るいライトが目に入る。 ギラギラしたイルミネーションが目立つホテルが何件も並んで建っており、少し引いてしまう。 けどラブホテルに入るのは今日が初めてではない。 今更何を恥ずかしがっているんだ、と思い首を横にフルフル振って率先きって前を歩く竜二くんの後ろに続く。 僕たちが入るのはイルミネーションもそんな目立たない控えめなデザインのホテルだった。 フロントへ入ると若い女性が出てきてドキッとする。 ラブホテルっておばさんが働いてるイメージが強かったけど若い女性もいるのか…。 竜二くんは気にした様子もなく、チェックインの鍵をもらい戸惑う僕の手を引いてエレベーターへ乗り込んだ。 エレベーターへ乗り込み、二人っきりになると竜二くんが僕の手をぎゅっと強く握ってきて痛い。 ドキドキして心臓の鼓動が伝わってしまいそうで耳に熱が籠る。 チンと音がなり、指定された階へ着くと部屋の前まで彼はズンズン歩いて行く。 コンビニの仕事で少し手が荒れてしまった指先はカサカサしていた。 ガチャリ 「へぇ、狭いけどベッドは綺麗だねぇ。あ、マッサージ機もある、んふっ…」 部屋を見渡そうとしていると強い力に引っ張られ、あっという間に唇を塞がられ、後ろ手にドアが閉まる音がした。 シャワーくらいは浴びたかったんだけど、と思うも性急な動きに圧倒され竜二くんの服にしがみつくことしかできない。 筋トレを欠かさずやっている彼は、とても引き締まった体をしており、力強い。 必要最低限の筋肉しかつけてない僕は抗う術もなく、濃厚な口づけに応えるしかない。 「ふぁっ…んぅっ……んんっ…」 厚い唇が何度も重なり、舌が割って入ってくると僕の口の中を蹂躙していく。 彼が小6の頃から幾度となく繰り返されてきた行為はもう慣れ切ったもので教えたはずの僕が及び腰になる。 器用にも口づけをしながら服を脱がしていき、僕の着ていたガウンも床へ落ちる。 竜二くんも自身の服を脱ぎ、そのままベッドへ倒れるようにダイブした。 夜はこれからだ。 *** 「あっ…はぁっ…んふ…」 「正義、相変わらず肌すべすべだな」 ベッドの上に長くのばした黒い髪は広がり、上半身だけ裸にされた僕は竜二くんの愛撫にただ喘ぐだけだ。 ときおり、彼が膝小僧で僕の股間をグッと刺激してきてジンジンしてくる。 もどかしい快感に涙は流れ、僕の奥のほうがキュンキュンと欲しがっている。 「ねぇっ…早くっ……」 「ちょっと待てよ、そうだ。これ」 竜二くんが突如、愛撫の手をやめて自分のバックをごそごそと何かを探している。 何かと思えば、片手にはローション、もう片方にはボイスレコーダー…!? 「え?本当に、何する気?」 「なぁ、正義、俺さぁバレンタインのプレゼント、まだもらってないんだ」 嫌な汗が出てきて、欲情に流されつつあった表情は引きつった笑みに変わる。 それに反して竜二くんは楽しそうにボイスレコーダーとローションを持って僕に近づいくる。 「大丈夫だよ正義…」 「ひぇ……な、なにが……」 こうして僕たちの長い夜は始まったばかりだ。 *** 「はっ…んやっ…んんっ……」 クチュクチュと粘着質な音をたてて僕の陰茎の先っぽを竜二くんが指先でいじってくる。 ボイスレコーダーはONにされていて近くに置かれており、なるだけ声を我慢しようすると、すかさず竜二くんが強い刺激を与えてくる。 完全に勃起した陰茎は先走りがタラタラと出ており先ほどからイヤラシイ音をたてている。 「竜二くんっ……やぁっ…ボイス、レコーダー…切ってぇ…」 「嫌だよ、って言ったら?」 そう言って竜二くんは悪戯に笑うと持ってきたお徳用ローションを自身の胸に垂らし僕の陰茎と自身の乳首をこすり合わせる。 ローションのヌルヌルとした感触と乳首にこすれる快感に僕は身をよじって快感に耐える。 「はぁっ……正義のちんぽ、すごい熱い……」 「あっ…ああっ…だめぇ…」 竜二くんのすっかり勃起した乳首が僕の陰茎に絡まり射精感が強まる。 けどイケないように根元を握られており、イキたいけどイケない辛さに涙がボロボロと出てきた。 「どうだよ、正義っ……ああっ…俺イキそうっ…ううっ………」 ローションでぬるぬるになった体を僕の陰茎にこすり合わせ、竜二くんは眼に涙を溜めて息を荒げ、体をビクビクさせると僕の下半身に白い白濁液が飛び散る。 竜二くんがイッた拍子に陰茎の縛りが弱まり僕も呆気なく達し、薄い腹を汚す。 「やぁっ…ああっ…あああっ……」 ドピュッビュルビュルルル………… ボイスレコーダーで録音されていることも忘れ、僕は竜二くんにしがみつき、口づけを強請る。 舌を乱暴に絡ませた濃厚な口づけをし、口の端から唾液が垂れてくる。 「んっ…ぁぁっ…はっ……」 竜二くんが僕の後孔をローションでヌルヌルで刺激し、ノックをしてくる。 すっかり彼色に染まった僕のそこはひくひくして物欲しそうに彼の指を飲み込んでいく。 グッポグッポといやらしい卑猥な音を立てて指の抜き差しをされ、無性に彼のがほしくなってしまう。 もうすっかり頭が空っぽになってしまった僕は、竜二くんの下半身に手を伸ばし既に勃起している陰茎を指でクチクチと触る。 ビクビクした竜二くんの反応に気を良くして指先で陰茎をタップし、刺激を与えていくとムクムクと大きく膨張していく。 「あっ…正義ィ……そこっ…ああっ…」 可愛い声で鳴く彼に、こちらも気分が良くなり後孔は変わらず物欲しそうにヒクヒクしているため、彼を押し倒し自らその上にまたがる。 お腹にほどよくついた筋肉を手でなぞると竜二くんはゾクゾクと震え、涙目でこちらを見下ろしてくる。 「どうしてほしい?竜二くん」 「っ…ぁぁ…ほしい」 小さい声で竜二くんが震え声で応える。 僕は膝たちで竜二くんの陰茎を指先ではじくだけで、まだ後孔に挿れるつもりはない。 「ほしいだけじゃぁ……んっ…わかんないよ?」 「やっ…ふぁっ……正義の中に、挿れてほしっ…い…」 涙をボロボロを流しながら懇願する恋人に気をよくし、僕は竜二くんの涙を唇で吸うと後孔に宛がった陰茎をゆっくりと中へ出迎える。 ヌププと卑猥な音をたててゆっくりと挿入していき、思わず僕も甘い吐息を吐いてしまう。 「ああっ……竜二くんの…ぼくのなかにきてる……っ…」 「うっ…正義ぃっ……っあ……」 根元まで挿入すると圧迫感に包まれ、動けなくなる。 すると竜二くんが僕の腰を支え、律動を始めるため刺激が伝わってきて喘ぎ声が漏れてくる。 じゅっぷじゅっぷ 「ああっ……ああっ…んふっ…ああっ…」 「正義の中、あったけー……んっ……」 「やっ……らめぇ…イッちゃうっ……」 「イッちゃえよっ……んっ…正義のイクときの顔、おれ大好きっ…」 「ふぁっ……ああっああああんっ」 びゅるるるるる…… 「はぁっ、いっぱい出したね…」 「まだだよ」 「ふぇっ?」 「だって俺、正義からチョコもらってないもん…」 「あっ、……ご、ごめん」 今になって思い出して、けど準備したチョコはなくて正義は顔が真っ赤になった。 すると竜二が後孔から自身のを出し、背後から正義を抱きしめる。 「チョコくれなかったってことは、チョコの代わりがあるんだよな?」 「あっ…う、うん………」 四つん這いの姿勢にされ、背後に竜二が正義を抱きしめゆっくりと後孔に陰茎を挿入していく。 もうすっかりトロトロになったそこは簡単に竜二を迎え入れジュプジュプと入っていく。 「はぁっ…竜二くんの……入ってきたぁ……ああっ……」 「正義っ……これが…俺からのチョコだっ……」 「あっ…激しっ……んんっ…あああっ……」 ベッドが律動で軋み、ギシギシと揺れ動き二人の気持ちをハイにしていく。 パンパンと肉がぶつかり合う音がし、二人の喘ぎ声が漏れ出て部屋の熱気を暑くしていく。 「ふぁっ……イクッ……イッちゃう………!」 「俺もっ……んんんっ……」 どぴゅっ…びゅるるるる…… 「竜二くん、ハッピーバレンタイン…」 「正義……」 口付けを交わし、また正義の中にいる竜二は熱を持ち硬くなってくる。 正義の萎えた陰茎も、竜二がいい所をこすればあっという間に硬くなり、また律動が始まる。 お互いすっかりボイスレコーダーを録音していることを忘れ、行為に励み、散々喘いで抱き合いまくった。 後になってから存在を思い出し、恐ろしくて再生ボタンが押せないとの始末になるのであった……。 「と、とりあえず、これは僕が預かっておくよ」 「……捨てるなよ?」 「す、捨てられるわけないじゃないか!誰かにこんなの聞かれたらもう…!リセットボタンとかないの!?」 「これはないよ」 「なんでこんなもの持ってきたのさー!」 「ごめん、出来心で…」 正義が顔を真っ赤にして泣いて竜二が照れくさそうに笑っていた。 だがその表情はまんざらでもない顔で、楽しそうであった。 後日二人で録音したボイスレコーダーを再生して事に及ぶ日があることを忘れてはならない。 おわり --------------------------------------- 友達からネタ提供で書きました(⌒-⌒) バレンタインとホワイトデーをスルーしていたので混ぜてみました! けど無理矢理感が激しくてちょっと笑いをとってるように見えてしまうwww みんなー!ハッピーバレンタイン!イエーイ!

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