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━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❤︎727272○_xxx ⚫︎1 ♦︎0 ⇆ 0 チョコ湯煎したらボソボソになった ありえん [写真] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❤︎727272○_xxx ⚫︎29 ♦︎1 ⇆ 1 ママハハからスカーフもらった 日頃のお礼にって 綺麗で素敵だから 選んだって 僕が連れてった店、覚えてたみたい でもね、 もう持ってるし デザインしたの僕だよって 教えたらテンパっててウケた 自分で使いなよって言ったら 「自分の分も買っちゃいました」って スカーフのデザイン 好きって言ってくれた 仕方ないなあ こんど双子コーデしよーね [写真] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❤︎727272○_xxx ⚫︎7 ♦︎0 ⇆ 0 ビデオ通話かけたら 買い物帰り中っぽいママでた スカーフで大根巻いてた エコバッグ入りきらなかったって 顔真っ赤にして坂ハアハア登ってんの おもろ [写真] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ❤︎727272○_xxx ⚫︎10.1万 ♦︎22 ⇆ 106 父さん、ママのこと好きすぎ スカーフのおそろ自慢したら スリッパおそろ自慢返しされた だる~ [写真] ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  SNSの投稿にはそれぞれ写真が添付されている。料理中の手元の写真だったり、スカーフを身につけた自撮り写真だったり。 「これって……」 「そう。僕の個人アカウント」  これらはナツメの日記らしい。 「どうして見せてくれるんですか?」 「この投稿見てよ。数字がおかしいと思わない?」  彼が指差したのは、俺とナツメの画像がくっついている最近の投稿だ。  いつかの美容院へ向かっているときに撮った写真が使い回して載せてあった。俺の頭部には絵文字のスタンプが被せてあり、顔がわからないようになっている。  もう一枚画像が添付されていて、そっちはメッセージアプリのスクリーンショットだった。スカーフをつけたナツメの写真に対し、色違いのスリッパの写真が返信されている。  投稿には関係なさそうだが、トーク画面の上側には、見切れる形で英一の自撮り写真があった。 (英一さんも自撮り送ったりするんだ……)  投稿ごとになにかの数字が添えられているのはわかるが、その意味はわからない。ただ、他の投稿よりも数字の値が何倍も大きい。 「この投稿を誰かが見つけて、さっきのアカウントに教えたみたい。引用ポストされてからインプレッションがめちゃくちゃ伸びて……」 「インプ……なんですって?」 「このSNSにいるたくさんの人がこの投稿を回し読みして注目してるってこと」  ナツメがスマホの画面を切り替えて見せてくれる。  さっきの男性のアカウントが、ナツメの投稿を引用してコメントしていた。 [ この服! この人かも!! メッセージ送れないようになってる。よかったら連絡ください! ]  当時の俺は着回しができなくて、いつも同じ組み合わせで服を着ていた。記事の写真と同じで、顔が隠れていてもわかってしまうものなのかもしれない。  ナツメが俺に向かって申し訳なさそうに両手を合わせ、頭を低くした。 「ごめん! 俺、ネットに照近さんのこと勝手に書いてた。身内だけのアカウントだしいいかなって思ってたんだけど、こんなに拡散されると思ってなくて」  いま見せてもらった投稿はきっかけにすぎず、他の投稿から俺たちの情報がどんどん特定されているらしい。  引用のついた投稿のコメント欄は大いに盛り上がっていた。 [ この人デザイナーのナツメでしょ? ] [ その親ってことなのか ] [ 南雲井ってデカい家で有名なとこじゃん ] [ 苗字一致してるし解決では ] [ で、連絡ついたんですか? ]  たくさんのコメントが連なり、スクロールに終わりがない。  英一にスマホを渡すと、俺と同じような顔をする。  俺も英一も、インターネットという仮想空間で起きていることへのリアクションに困っていた。現実味がないせいだ。 「これって、どうなるんですか?」 「良いことなのかい? 悪いことなのかい?」  ナツメはうーんと唸る。 「ポジティブにバズってるのはいいことかもだけど、個人情報ダダ漏れなのは良くないよね。しかも家の場所も調べたらわかる状況だから、いたずらに来る人とか出てくるかも……」 「なるほど。気をつけないとですね」 「ちなみに、投稿を消してないのはもう転載されてるからだよ。オリジナルを残しておかないと好き勝手に改変される可能性があるから」 「よくわからないけど、ナツメの判断を信じるよ。──それより、これってどういう日記なの?」  ナツメのスマホをいじる英一は、ナツメのアカウントに戻って過去の投稿に目を通しているようだった。良くないことが書いてあるのか、怒っているようなあきれているような顔をしている。 「う……。最初のほうの投稿まで見たんだね。お察しの通り、はじめは照近さんの正体を暴いて父さんを傷付けてやるつもりだったんだ」 「えっ」  びっくりして英一の手元を覗き込むと、[ クソ爺また恥かくつもりかよ ]という投稿がちらりと見えてしまった。さっき見た穏やかな文章とは程遠い、乱暴な言葉が画面のあちこちに見てとれた。 「料理を教えて欲しいっていうのは口実でさ、旦那の金で豪遊してる現場とか、悪口言ってるところを撮るつもりで近づいたんだ。でも、なかなか尻尾出さないなーってなって……そのうちに、本当にこういう人なんだってわかって……」 「最近の投稿、ぜんぶ継母(ままはは)自慢になってるね」 「じっくり見ないで父さん。どこ読まれても恥ずかしいから」  英一はナツメへ素直にスマホを返していた。 「ぜんぶごめん、照近さん。……父さんも」 「俺からしたら、ナツメさんに助けてもらった認識しかないですよ」 「照近さんん……」  珍しくしょげているナツメが抱きついてきた。大きな子犬のようだ。よしよしと背中を撫でてあげた。

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