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第10話 直視できない。

苦痛と快楽の入り混じった声で兄の名前を叫び続ける緋美くんを、俺は直視出来なかった。 食事側が一番興奮してない? 気のせい? 俺こんな風に叫ばないといけないの? それとも自然と叫んじゃうの? どっちにしても、耐えられない…… 光「…あの!…もう、いいよ…。よくわかったから…。」 月城くんはハッとして俺を一瞥すると、 パッと首元から口を離し、 月「ごちそうさま!緋美、いつもありがとう!」 そう言うと、緋美くんをギュッと抱きしめて、 チュッ チュッ 首に軽く2回、キスをした。 光「そっ……!!その締めはなんなの?!」 月「締め?ごちそうさまの後は、感謝とリスペクトのハグ。」 月「そして傷口にキスすると、早く血が止まるから…」 光「…って、緋美くんが?」 月「そうそう!緋美は僕のために色々調べてくれてて、造詣が深いんだ。」 緋美くんは片手で両目を覆い、顎を天井に向けて脱力していたが、口元にはうっすらと笑みを浮かべていた。 …余韻楽しんでない? 月「で、こーくん!心の準備できた?僕たちの初めてはいつにする?僕も心の準備をしとくから、いつでも大丈夫だよ!」 月城くんはハンカチで口を拭きながらニコリと目を細め、俺に問いかけた。 光「…あの……俺……もう少し…考えさせて……」 月「ええ〜っ、なんで??」 光「…その……」 光「……怖くて………。」 緋「ハッ!やっぱり!しーちゃんの荘厳さに怖気付いたんだな!! 緋「ダサいっすね〜〜〜先輩!!」 光「いや、怖いの月城くんじゃなくて…」 光「緋美くんみたいになること。」 緋「は?」 光「凄かったじゃん、声も、反応も。」 光「しーちゃん!しーちゃん!…って」 光「あんな理性飛ばして喘いでる(?)自分、想像したら、めちゃくちゃ怖いよ……。」 光「いちいち儀式も…欲望まみれだし……」 月「欲望?」 緋「せーーーーんぱい、ちょっと黙りましょうか。」 緋「2人で話がしたいです。」 真っ赤になった緋美くんが、俺の腕を掴み、言葉を遮った。 月「なになに??話って」 緋「あーっと、ほら、俺、この食事法について詳しいから、先輩に色々アドバイスしてあげたくて。」 緋「吸われる側の心構えっていうか?食事になることのメリットとか?」 緋「いつもならしーちゃん寝てる時間だし、お腹いっぱいで眠いでしょ?今日はここまでにして、先輩にもっと安心してもらえるように、俺が話しながら送ってくるよ!」 月「……緋美ぃ…本当に優しい弟!」 月「ありがとう、こーくんをよろしくね!」 月「じゃね、こーくん!今日はありがとう!気をつけて帰ってね。また明日…ふわぁ…。」 本当に眠そうだな。 てかいつも寝てる時間なんだ。 まだ日も暮れてないのに…。 緋「じゃあ先輩、行きましょっか!」 緋美くんはそう言うと,俺の腕を掴んだまま、慌てた様子で屋敷の外へと連れ出した。 ──バタン 緋「…………。」 光「…………。」 気まずい空気の中、 緋美くんがポツリと話をし始めた。

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