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第20話 初めてのお風呂。

月「あ、次僕たちのクラスの番だよ!」 月「お風呂に行こう!」 お風呂………! みんなでワイワイお風呂に入るだけなのに、 『食材として洗ってもらう儀式』が頭をチラついて、 お風呂と聞くだけでドキドキしてしまう…。 緋美…マジで俺はお前を許さない……! これはただの風呂!俺は食材ではない! 日中にかいた汗を流すだけの行為……! そう自分に言いきかせるように、 両手で頬をパンパン!と2回叩き、 大浴場へ向かった。 月「こーくんとお風呂♪嬉しいなぁ〜!」 周りに人がいるせいか、「洗ってあげる♡」とも言ってこない。 純粋に初めての合宿を楽しんでいるようにも見える。 でも、同室の1人が帰った時のあのテンションから考えると、油断はできないな…。 ……やっぱり緋美みたいにはなりたくない。 でも、他の子の血を吸って欲しくない気持ちもある。 自分の中で、嫌なことはわかった。 で、俺は、どうしたい? 月城くんと、どうなりたい……? そう考えながら服を脱いでいると、 月「こーくん、まだぁ?」 月城くんはもうタオル一枚になって待っていた。 白くてきめ細かい肌、キレイな鎖骨と華奢な腕が目に飛び込んでくる。 うわっ!! これ以上見たら(社会的に)死ぬ!!! お風呂とは!汗を流す汗を流す汗を流すもの!!! 俺は月城くんから目を逸らし、急いでシャワーを浴び、湯船に浸かった。 月「ちょっと〜僕待ってたのにぃ!」 上を向いて目頭にタオルを乗せ湯舟に浸かっている俺に向かって、月城くんは不満気にそう言った。 光「ごめんごめん。どうしても早くお風呂に入りたくなっちゃって…。」 光「ところで、緋美はよく林間学校許したね。心配してたでしょ。緋美に止められるんじゃないかと思ってたよ。」 月「そうそう、ずっと心配して反対してたよ。でも僕が頑固なのも知ってるし、それに…」 月「反対する体力なくなるくらい、血をもらって来たから。あははっ!」 わ!やっぱり干からびてたか……! 月「おかげで僕は君とここに来られたし、緋美には感謝だよ〜!」 自分の血で元気になった大好きな兄が、 他の男の血を求めて林間学校に参加してるなんて… 緋美は今頃、ベッドで咽び泣いていることだろう。 でも緋美、今お兄ちゃんはその男とお風呂に入ってて、これから2人きりで寝るんだよ? 月城くんは感謝してるけど、俺はまだ恨みの方が大きいからな! ただの風呂なのに変に意識して、 距離とって目隠しまでしてるの、お前のせいだ! え?しーちゃんの肌見たいくせに、目隠しして紳士ぶるなって? は?俺のピュアッピュア度知ってるよね? 今目隠し外したら湯船が鼻血で真っ赤に染まるよ? お前の兄ちゃん全部飲んじゃうかもよ? 頭の中に召喚したエアー緋美と喧嘩していると、 イライラが、他の感情を全部追いやっていく…。 高鳴っていた心臓も漸く落ち着いてきた。 よし!これでやり過ごそう!! ───そう、思っていたのに。 月「こーくん!キレイな首筋が、丸見えだぞ…♡」 耳元で月城くんが囁くと、 俺の心臓はまた大きく跳ねた。 確かに、目隠しをして上を向くなんて、「首どうぞ♡」と言わんばかりのスタイルにはなってたけど!! せっかく鎮火しかけていたのに、なんでまた焚きつけるんだよ…。 俺は慌てて目隠しを外し、上げていた顔を戻して水面を見たつもりだったが、 月城くんは既に真正面にいた。 肩までお湯に浸かり、上目遣いで俺を見ている。 そして濡れた前髪をかき上げたのか、普段見えないおでこが見えている。 エッ!何このおでこ!! かわいっっっ……!! 光「静夢こそ!!おでこ丸見えじゃん!!」 ついそう叫んでしまった。 月「えっ?あ、うん。髪洗ったから。」 月「デコ出し似合わない?ふふっ。緋美と同じこと言うね。前髪あった方がいいって言われたことあるよ。」 緋美……! こんんな可愛いおでこ、風呂で見るの辛いよな…! 他の人にも見られたくなかったよな……

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