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第24話 それは仲直りの。
月城くんは一瞬目をまん丸にしたものの、すぐ訝しげに眉を寄せた。
「なんで?無理しなくていいんだよ?」
「あ、彼女できるかも知れないから?血が美味しく無くなる前に、飲ませてあげようってこと?」
「はぁ?!彼女なんて出来ないし…あ、彼女出来て血が不味くなったら嫌だなって思ったから、不機嫌だったの??」
「そんなこと…!」
「僕は……」
月城くんの大きな瞳の縁には、今にも零れ落ちそうな涙が揺れている。
「女の子に呼ばれて、君がいなくなったら…」
「ここが、痛くて……」
月城くんは俺の手を取り、自分の左胸にあてた。
手のひらから大きく脈打つ鼓動を感じる。
「血のことなんて、少しも思い浮かばなかった。」
「でもなんでこんなに苦しいのか、自分でもよくわからないんだ……。
こーくんが笑顔になると、いつもは僕も嬉しくなるのに、今日はなんだか悲しくて…。」
「ずっと悲しくて、こーくんは何も悪く無いのに、それがなぜだか、こーくんのせいみたいに感じて……。」
「拗ねちゃってたかも知れない。ごめんね。」
「静夢……。」
「俺こそ、ごめん。俺は静夢にとってただの食料なんじゃないかって、誤解してた。」
「俺自身のことも、見てくれてたんだね。」
「当然でしょ。僕はこーくんのこと、大好きなんだから!」
「ふっ、その好きは、信用できないけど。」
「えっ?」
「でも俺も、他の誰かの血を吸って欲しくないって思うくらい、静夢のこと、好きだよ。」
「こーくん…!」
「他の人のなんて吸わないよ。僕はずっと、こーくんの心の準備が出来るまで、何年でも待つつもりだったんだから。」
「僕が拗ねてたから、無理してない?」
俺は首を左右に振った。
「……静夢に吸われたい。」
「静夢に、俺の血で元気になってもらいたい。」
「こーくん…嬉しい……!」
「あっでも、儀式とか作法とか、俺はよくわかんないから!カプッ、チュウチュウ、みたいな感じだと助かるって言うか……」
「ふふっ!わかったよ。初めてだし、軽く、一口だけね。」
「あ、でも今アレ持ってないや」
「後からつけないと…」
「エッ!!ごめん、なんの話??」
「えーと、絆創膏。」
「あ、絆創膏か、ビックリした!俺待ってるよ。」
「さすが〜本当に、吸われる気満々で来てくれたんだね?」
「嬉しいよ……」
そう言うと月城くんは、俺の顔を両手で包んだ。
「こーくん、ありがとう。いただきます…!」
ああ、ついに……!
噛まれる時は、やっぱり怖いな……。
俺が恐怖でギュッ!と目をつぶって待っていると、
『チュッ!』
えっ!?
なんでキスした??
唇に………!
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