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第30話 狙われた純潔。
光「あ、この辺は日本語で書かれた文献もあるよ。」
光「これは何だろう、手書きみたいだけど…」
埃を手で払うと、そこには、
『月城家 血統及び食餌録』
と書かれていた。
光「あ!これ…それっぽい!!!」
月「血統と…しょくじ?えさ?」
光「食事と同じだけど、栄養補給的な意味の強い字らしい。グーグル調べ。」
月「へえ〜。」
ページを開くと、
『我らが祖は、遠くルーマニアの地より海を渡り、この国へ移り住んだ。』
『我らは夜を好み、陽光を避け、血を糧として暮らしてきた。』
月「わあ!僕のルーツだね!」
俺たちは続きを読み進めた。
『土地に馴染み、名を変え、暮らしを変えても、
夜に目覚め、血を求めるその特異な性質だけは、途絶えることなく受け継がれている。』
光「う〜ん、やっぱり、遺伝なんだね。」
光「あ、食餌のマナー的なことも書いてる。」
『血を得る際には供血者の同意を得ること。
傷口は清潔に保ち、必要以上の吸血を行わぬこと。』
光「あれえ、食材として体を丁寧に洗いましょうとか書いてないなぁ〜?」
緋「いやいやいや!清潔に保ちって書いてます!!なんか、他の文献には、もっと詳しく、洗い方とか!止血の方法とか!書いてたんす!間違いないっす!」
月「そうなの?まあいいや、とりあえず、続きを読もう。」
『血の味は供血者ごとに異なる。
年齢や体質、健康状態だけでなく、
その者が抱く感情によっても、大きく変化する。』
光「抱く感情?静夢は、ピュアッピュアで悶々としてる男の血が美味しく感じるんだよね。そういうことかな。」
『中でも、吸血者へ強き情欲の念を抱く者の血は、風味を著しく増す。』
月「情欲の念?」
緋「ちょっと……先輩いいすか」
光「なに?」
緋「ちょっと、廊下に…」
緋美は俺を廊下に連れ出した。
───────・・・
緋「やばいっす、『情欲』って、」
「下心っすよ!!」
緋「このまま読み解いていったら、俺たちの下心、バレちゃいます!!!」
光「はぁ?!俺に下心なんて…!」
緋「無いですか?」
ないよ!!と言いたかったけど、
ある………
光「つーかあんな可愛い子に、邪念ゼロで接すること出来る男がいるわけないだろ!!」
緋「しーちゃんが気付く前に、古文書読み解くのは中止にしましょう。」
緋「…それと俺、ずっと考えてたんすけど…」
光「なに?」
緋「しーちゃんのキスの相手、先輩っすよね?」
光「えっ!!いやっ…」
緋「少なくとも俺の監視下で、しーちゃんが誰かとキスするような隙は与えてません。」
緋「合宿中しかあり得ない。だとしたら…。」
光「だとしても!向こうからしてきたんだよ?!俺は奪われた側だからね?!」
緋「…だったら俺も、奪います…。」
光「えっ!静夢に無理矢理キスすんの?!」
緋「違います!」
緋「先輩の……童貞……。」
光「はぁっ?!」
緋「童貞じゃなくなれば、確実に味は落ちるはず…」
緋「そしたら俺がNo. 1に返り咲く!」
光「待て待て!お前はどうなるの??お前も血が不味くなるんじゃないの??」
緋「俺は処女捨てるだけなんで!童貞のままなんで!」
光「えっ、そーゆーもんかな??」
緋「兄弟だし、俺にも情欲持てるでしょ。」
緋「俺のお尻結構、綺麗なんで…」
緋「見ますか……」
緋美はカチャカチャとベルトを外しはじめた。
光「わーーー!!!馬鹿馬鹿!見たくないって!!」
光「いくらなんでも、捨身過ぎるだろ!」
もちろん応える気は無いし、本気の顔で迫られて怖かったけれど、緋美のあまりに突飛な行動に、俺はむしろ笑いが込み上げてきた。
光「見ないって!っはは!」
緋「見たら気に入りますって、しーちゃんが磨いてくれたお尻ですし!」
光「もう、やめて!腹が痛い!」
月「……ねえ…何してるの?」
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