30 / 33

第30話 狙われた純潔。

光「あ、この辺は日本語で書かれた文献もあるよ。」 光「これは何だろう、手書きみたいだけど…」 埃を手で払うと、そこには、 『月城家 血統及び食餌録』 と書かれていた。 光「あ!これ…それっぽい!!!」 月「血統と…しょくじ?えさ?」 光「食事と同じだけど、栄養補給的な意味の強い字らしい。グーグル調べ。」 月「へえ〜。」 ページを開くと、 『我らが祖は、遠くルーマニアの地より海を渡り、この国へ移り住んだ。』 『我らは夜を好み、陽光を避け、血を糧として暮らしてきた。』 月「わあ!僕のルーツだね!」 俺たちは続きを読み進めた。 『土地に馴染み、名を変え、暮らしを変えても、 夜に目覚め、血を求めるその特異な性質だけは、途絶えることなく受け継がれている。』 光「う〜ん、やっぱり、遺伝なんだね。」 光「あ、食餌のマナー的なことも書いてる。」 『血を得る際には供血者の同意を得ること。 傷口は清潔に保ち、必要以上の吸血を行わぬこと。』 光「あれえ、食材として体を丁寧に洗いましょうとか書いてないなぁ〜?」 緋「いやいやいや!清潔に保ちって書いてます!!なんか、他の文献には、もっと詳しく、洗い方とか!止血の方法とか!書いてたんす!間違いないっす!」 月「そうなの?まあいいや、とりあえず、続きを読もう。」 『血の味は供血者ごとに異なる。 年齢や体質、健康状態だけでなく、 その者が抱く感情によっても、大きく変化する。』 光「抱く感情?静夢は、ピュアッピュアで悶々としてる男の血が美味しく感じるんだよね。そういうことかな。」 『中でも、吸血者へ強き情欲の念を抱く者の血は、風味を著しく増す。』 月「情欲の念?」 緋「ちょっと……先輩いいすか」 光「なに?」 緋「ちょっと、廊下に…」 緋美は俺を廊下に連れ出した。 ───────・・・ 緋「やばいっす、『情欲』って、」  「下心っすよ!!」 緋「このまま読み解いていったら、俺たちの下心、バレちゃいます!!!」 光「はぁ?!俺に下心なんて…!」 緋「無いですか?」 ないよ!!と言いたかったけど、 ある……… 光「つーかあんな可愛い子に、邪念ゼロで接すること出来る男がいるわけないだろ!!」 緋「しーちゃんが気付く前に、古文書読み解くのは中止にしましょう。」 緋「…それと俺、ずっと考えてたんすけど…」 光「なに?」 緋「しーちゃんのキスの相手、先輩っすよね?」 光「えっ!!いやっ…」 緋「少なくとも俺の監視下で、しーちゃんが誰かとキスするような隙は与えてません。」 緋「合宿中しかあり得ない。だとしたら…。」 光「だとしても!向こうからしてきたんだよ?!俺は奪われた側だからね?!」 緋「…だったら俺も、奪います…。」 光「えっ!静夢に無理矢理キスすんの?!」 緋「違います!」 緋「先輩の……童貞……。」 光「はぁっ?!」 緋「童貞じゃなくなれば、確実に味は落ちるはず…」 緋「そしたら俺がNo. 1に返り咲く!」 光「待て待て!お前はどうなるの??お前も血が不味くなるんじゃないの??」 緋「俺は処女捨てるだけなんで!童貞のままなんで!」 光「えっ、そーゆーもんかな??」 緋「兄弟だし、俺にも情欲持てるでしょ。」 緋「俺のお尻結構、綺麗なんで…」 緋「見ますか……」 緋美はカチャカチャとベルトを外しはじめた。 光「わーーー!!!馬鹿馬鹿!見たくないって!!」 光「いくらなんでも、捨身過ぎるだろ!」 もちろん応える気は無いし、本気の顔で迫られて怖かったけれど、緋美のあまりに突飛な行動に、俺はむしろ笑いが込み上げてきた。 光「見ないって!っはは!」 緋「見たら気に入りますって、しーちゃんが磨いてくれたお尻ですし!」 光「もう、やめて!腹が痛い!」 月「……ねえ…何してるの?」

ともだちにシェアしよう!