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第39話 無垢な殺人鬼。
俺、言った?
言ったよね?「恋人になりたい」って…
緋美とお母さんまでいるのに!!
…でもこれは間違いなく、俺の本音だ。
静夢を太陽の下に連れ出すのは、
俺じゃなきゃ嫌だって、
ハッキリ思ったんだ…。
月「………本気で思ってる?」
月「煽られて言っちゃったんじゃない?」
緋「下心でしょ?!下心っすよね!」
光「いや、俺は……」
静夢はテーブルに肘をつき、真っ赤になった顔を隠すように俯いて頭を抱えていた。
それでもその細い腕の隙間から、不安と期待が入り混じった瞳で俺を見つめている。
もう自分の気持ちを誤魔化せないし、
どう思われたって、言うしかない!
俺は片手で顔を覆い、大きく深呼吸をすると、勢いよく立ち上がった。
ガタッ……!
光「俺は!!静夢が!!」
光「大好きだ!!!!!」
光「俺が日向に連れて行く!!!」
やばい血圧が…200超えそう…!
鎮まれ俺の心臓…!!
俺の言葉に、静夢は大きな瞳を潤ませた。
月「……こーくん……!」
月「ありがとう、僕も……大好きだよ…!!」
月「もちろん、恋愛感情の好き!」
その言葉を聞いた途端、張り詰めていたものが切れたように、俺の目から涙が溢れ出した。
月「…やっと言ってくれたね、ふふっ!」
そう笑う静夢の瞳からも、大粒の涙がこぼれ落ちた。
緋「しーちゃん…グスッ…グスッ……。」
緋「超絶悔しいけど……俺はしーちゃんに太陽を見せることはできないから……クソッ…でも、血は飲んでね……」
月「緋美〜もちろんだよ、緋美はずっと僕の可愛い弟なんだから、これからも変わらず側にいるよ!」
緋「弟……しーちゃぁん…グスッ……」
母「…良かったわね、静夢…。」
母「特殊な体質で大変なこともあるでしょうけれど、あなたたちは自分の心に蓋をせず、昼と夜の垣根を超えていってほしい。そう願っているわ。」
月「お母様…ありがとう……。」
月「僕たち、今両思いだってわかったから、これからこーくんに協力してもらえば、太陽にも強くなって、食事の味もわかるようになるんだよね?」
母「そ、そうね…。」
母「あの…味覚の獲得方法は……読んだのかしら?」
月「うん、僕は読んだよ!」
月「えーっと、お付き合いしてる相手と何度も目を合わせれば、味がわかるようになる、みたいなこと書いてた。」
月「そうでしょ?」
静夢はスマホを取り出し、保存していた古文書の画像を表示して、みんなに回した。
そこには、
『その者と目合ひ重ねれば、舌に新たなる味を得る』
と、書かれていた。
目合ひ重ねる?……目合いって……
『まぐわい』じゃないの?!?!
お母さんは、頬を染めて気まずそうにしているし、
緋美は瞳孔が開いたまま固まっている。
光「しっ、静夢……!」
月「うん?」
光「…チャッピーに聞かなかったの?」
月「いや?聞いたよ。『目合ひ重ねる』って、目をたくさん合わせることかな?って。」
光「そ、そしたら…?」
月「『静夢っ!目合ひは『まぐわい』って読むんだけど、そ、そうだね、目線をたくさん合わせることだと思うよ。うんうん、多分……。』って。」
月「なんか曖昧だったけど、チャッピーも古文書は独特過ぎて難しかったのかな?」
そんな曖昧なAIいる?!
静夢のチャッピー、えらくお子様仕様じゃない??
なんか設定いじってない?
緋美に目を向けると、
片手で口を押さえ、斜め下に視線を逸らしていた。
こいつだ……!
月「だからこーくん、これからもっともっと僕のこと好きになって、血を飲ませてね。」
月「そしてたーくさん、目合い?しようね♡」
あああああああああ!!!!!!
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