40 / 56

第40話 だーい好きの味。

「…こーくん。」 「『目合い』…しよ?」 「こーくんは、どっちがいい?」 「上?下?」 「それとも、真ん中…?」 真ん中?? 真ん中って!!? えっ!まさか緋美と3人で???! ど、童貞がいきなりそんなハードなプレイ、できるわけないだ 光「ろ…!!」 叫んだと同時に視界が開け、ベッドの傍で心配そうに俺を見つめる静夢と目が合った。 さっきの妙に生々しいやりとりは、夢だったのか…。 はぁ…なんていやら…いや、恐ろしい夢……。 月「こーくん…!良かった、気がついて!」 月「急に白目剥いて倒れたから、ビックリしたよ〜!」 あ!俺、静夢の爆弾発言で死にかけてたんだ! 光「そ、そっか。ごめん。もう大丈夫だよ。気合い入れて告白したから、血圧上がっちゃったのかな。」 光「緋美とお母さんは?」 月「緋美がここまで運んでくれたよ。目が覚めるまで一緒にいるって言ってたんだけど、お母様に連れ出されてた。」 月「『2人きりにしてあげて』…って。」 月「僕も、2人で話がしたかった。」 月「……僕たち、お付き合いするってことで、いいんだよね?」 月「それを聞きたくて…。」 光「……静夢。」 光「じゃあ、改めて言わせてもらうね。」   光「俺は静夢が大好き!」 月「…あ…はいっ、…僕も……」 光「俺と、つ、つ、付き合ってください!」 月「はい!よろしくお願いします……♡」 静夢、耳まで赤くなって…可愛すぎる……!! 人生初の恋人がこんなにも美人で可愛い子だなんて…俺は前世でどれだけ徳を積んだんだろう…! ただ……… やっぱり、予想通り、やたらと見つめてくる!! 内容的には勘違いしてるとは言え、今この二人きりの状況で『アレ』を言われたら、命がいくつあっても足りない!!! 何か、気を逸らすような話をしないと…! 光「…あのさ、」 月「はい?」 光「静夢はいつから、俺のこと好きだったの?」 ヤダッ!何このモテ男みたいな質問!! 付き合えたからって調子乗ってるみたいで恥ずかしい!! 月「ふふっ!知りたいの?」 俺は自分の発言に照れ過ぎて何も言えず、 コクコクと頷いた。 月「それはね……うーん、本当に僕にもわかんない。でもキスした時は、もう好きだったんだと思う。」 光「ええっ 林間学校の…?」 月「うん…。でも、こーくんは何も言ってくれないし、緋美とどんどん仲良くなってるし、悔しいから自分からは言わないって、決めてたの。」 月「こーくんの血からは、好意を感じてたから、なおさら…。」 光「エッ、そうなの??」 月「後から思い返せば…だけどね。鼻血を出して保健室に来た時あったよね?あの血の匂いにはもう、好意が混じってて…僕はその香りで、ハッと目が覚めたんだ。」 光「童貞臭だけじゃなく??」 月「うん、その時はそれだと思ったんだけど、3回目に、こーくんの血を飲んだ時、ハッキリ気付いた。 これは、『恋の匂いだ』って…。」 光「……そっか…。静夢を初めて見た時から俺は、恋に落ちていたのかも知れないな…。」 月「ええ?そんなに前から?」 静夢は頬を真っ赤に染め、疑うように俺を見ながらも、口元は嬉しそうに緩んでいた。 光「その…緋美のはどうなの?匂いとか味は……。」 月「緋美のはね〜、匂いとかわかんないくらい、『僕へのだーい好きの味』でいっぱいだよ!」 うわっ、 『僕へのだーい好き』って、 情欲の念…… つまり、下心だったよな?! 緋美ーーーー!!! 光「おっ、俺の血は??」 月「こーくんのも、『僕へのだーい好きの味』いっぱいするよ〜♪」 月「この『だーい好きの味』は、恋愛感情とは違うと思うけど、すっごく美味しい味だから、2人とも持ち続けて欲しいなぁ〜」 ひいぃ…! 邪念の味だってバレませんように…!

ともだちにシェアしよう!