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第43話 緋美の提案。

光「起きたよ、もう大丈夫…」 そう言って俺たちが部屋を出ると、 緋美が阿修羅のような形相で俺を睨んできた。 こわっ…! 母「良かったわ、気がついて。 日向野くん、大丈夫?疲れちゃったのかしらね。何か飲み物いれてくるわ。リビングでゆっくりしていてね!」 月「僕も手伝うよ〜。」 そう言って二人がキッチンに行った隙に、 ここぞとばかりに緋美が話しかけてきた。 緋「先輩!!」 緋「やってないっすよね?!」 光「うん。さっき意識が戻ったばっかりだし、血はあげてないよ。」 緋「いや、そっちじゃなくて!」 光「……ッはぁっ!?」 光「つ、付き合ったからって、いきなりそんなことにはならないよ俺は!お前じゃあるまいし!!」 光「てかさぁ!静夢のチャッピーR15仕様にしたのお前だろ??自分の欲望貫き通すために、静夢にそういう知識つけないようにしやがって!」 光「知識がない分、無意識に爆弾投下してくるし、純粋な目で見つめてくるし、命がいくつあっても足りないよ!!」 緋「だって、知識つけちゃったら…。」 緋「きっと作法や儀式も嘘だってバレるし、吸われてる時の俺の態度も…キモがられるはず……。」 緋「ずっと、何も知らずに、俺の血だけ飲んでればいいのに……。」 緋「でもでも、しーちゃんが望むなら、太陽に強くなることも応援したいし、食べ物の味、知って欲しい気持ちもあるんです!!」 緋「本当に!!本当ですよ!?」 いや、まだ疑ってもないのに、 今ので逆に怪しく感じちゃったよ… 緋「それで俺、いいこと考えました!」 緋「先輩も、バリバリの童貞だし、しーちゃんに教えられることは何もないじゃないですか。知識もメンタルも、雑魚じゃないですか。」 光「まあそうだけど?!言い方腹立つな!!」 緋「そこで、造詣だけはマリアナ海溝なみに深い俺が、レクチャーするってのは、どうですかね……。」 は……? 光「……つまり?」 緋「つまり、」 緋「……3人で───。」 ガタッ!! 俺は椅子から崩れ落ちた。 緋美は床の俺を見下ろし、真面目な顔で手を差し伸べながら、 緋「先輩は、上と下、どっちがいいですか?」 緋「それとも………」 光「やめろおおおおおおおお!!!」 光「正夢にするな!!!」 緋「えっ?」 光「…いやっ、」 光「…3人は、おかしいだろ……」 光「……でも……ちょっ…と聞きたいんだけど、俺真ん中になったとして、」 光「お前どこなの?」 何を聞いてるんだ俺は!! でも好奇心が…… 緋「俺は、一番下っすね」 緋「下から順番に、俺、先輩、しーちゃん。」 緋「月城ブラザーズで、先輩を挟んであげますよ。」 光「俺の下なの!?お前はそれでいいの??」 緋「いいんです。まずは、参加することに意義がありますからね!」 緋「順繰り前に送っていけばとは、思ってますけど…。」 光「トランプみたいに言うなよ!!!」 緋「でも、悪い話じゃないでしょ?」 緋「先輩ひとりじゃ、一瞬で気絶して、すぐふられますよ?」 そんなことない!!! ……って、言いたかったけど、 悲しいかな、あり得ない話じゃない… だからって、弟と3人でって、おかしくない?! でももはや、何がおかしくて、何が正しいかなんて、 俺にはわからなくなってきていた。 月「お待たせ〜!こーくんはミルクココアにしたよ〜。緋美はお砂糖とミルクたっぷりのカフェオレだよ!」 月「クッキーもあるよ!」 月「昨日、お母さまと一緒に生地作ったんだぁ。冷凍しとくとね、食べたい時に焼きたて食べられるの!美味しくできてるといいなぁ〜。」 静夢はフリルのついた白いエプロン姿で、 焼きたてのクッキーを振る舞ってくれた。 あああ…静夢はやっぱり天使だよ…… 緋「しーちゃんのクッキー、めちゃくちゃ美味いよ!お店出せるよ!!」 月「そう?えへへ!」 緋「ね、先輩!」 光「あ、うん。本当に、サクサクして美味しいよ。」 緋「しーちゃんも、早くこの味知りたいよねえ〜」 緋「方法もわかったし、せんぱ〜い、頑張りましょうねえ〜!」 緋美め……!!!!!

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