44 / 75

第44話 魅惑のBLサンド。

…実際、静夢の知識ってどの程度なんだろ? 『童貞』って言葉は知ってたし、『童貞』がどういう意味かも、さすがにわかってるよな? 『性に貪欲なのに、誰とも交わったことのないピュアッピュア男子の血が好み』とも言ってたぞ。 ……つまり、言葉の意味は知ってるけど、静夢には性欲が無いってこと? いや、あれだけ艶かしい顔で血を飲んでるのに、性欲がないなんてことは……。 まさか…!男には性欲が湧かないとか…?? ───もしかして 俺は、そういう対象じゃないのかも── 「お昼はね〜、ベーコンとレタスでサンドイッチを作ろうと思ってるよ!」 「こーくんサンドイッチ、好き?」 「……………。」 「……こーくん?」 「えっ!あっ!ごめん、ボーッとしてて…!何かな??」 「お昼、BLサンドイッチにしようと思ってるの!」 「好き?」 「えっ!お昼にBLサンドイッチするって?!」 「うん!」 「ちょっ…いきなりあんなハードなやつ、静夢はできるの??」 「全然ハードじゃないでしょ、はさむだけだし。僕でもできるよ〜!」 「そんな軽いノリで?!Bだけでいいの?Gなしでいいの?」 「Gってなに?BとLだけだよ。」 「Lはもちろんだけど、BでBをはさむんだよね?」 「えっ?パンとパンではさむよ。」 「パンパン?!」 「BLだけだと物足りないと思ってる?マヨネーズたっぷりならいけるはず!」 マヨネーズって何?隠語? なんかわかんないけど、いやらしい! えっ、なんでこんな急にエッチなお兄さんになったの? 静夢は最初から、3人でしたかったのか?? 助けて緋美……!!! 慌てて緋美に目を向けると、片手で口を塞ぎ、必死に笑いを堪えるように、肩を震わせていた。 「クッ…先輩……昼飯の話っすよ…!しーちゃんが、ベーコンとレタスで、サンドイッチを作ってくれるって…言ってまふ…!ブファ!!」 「あーーーーー!そういう話か!!ビックリした!!!」 緋美が変な提案するから、思考が完全に変な方向に行っちゃってた!!あぶな! 「なんなの〜!ずっとそう言ってるんだけど〜!なんで通訳が要るの!」 「なんで緋美が言わないとわかんないのっ!」 あ、ちょっと妬いてる? フリルエプロンで頬を膨らませてるの超可愛い…! 「まあまあ、みんなで仲良く、しようよ♪」 …こいつ!ムカつく!! 「静夢、ごめんごめん。ちょっと勘違いしてたみたいで…。」 「サンドイッチ食べたら、静夢にも飲ませてあげるからね、俺の…血を…。」 なんかこんなこと言うの恥ずかしいな…。 「やった!こーくんありがとう!楽しみ♡」 一瞬で機嫌直った! 本当に静夢は、食欲はわかりやすいんだけどなぁ〜。 「しーちゃん、俺のでも良いよ!!」 「緋美もありがとう、でも早く太陽に強くなりたいから、こーくんいるときはなるべく、こーくんの飲ませてもらうね!」 「付き合って初めてのこーくんの血…楽しみ♡」 静夢はキラキラと瞳を輝かせ、嬉しそうに口元を緩め、期待に弾む心を落ち着かせるように、胸の前で両手をきゅっと握り合わせた。 緋美は残念そうに唇を尖らせている。 でもたぶん、これはパフォーマンスだ。 俺の血を飲んで、静夢が太陽に強くなってきてからが、自分の出番だと思ってるはず……。 その前に、静夢の知識や意志を確認して、 味覚獲得方法の真実、伝えなきゃな。 単純に目を合わせるだけじゃダメだって…。 男となんて無理だって言われたら、 俺は、振られる可能性もあるのかな……。

ともだちにシェアしよう!