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第52話 三種類の青。
──コンコン!
光「緋美?俺。開けて。」
ガチャッ!
声をかけた途端、待ち構えていたかのようにドアが開いた。
緋「ついに、俺の出番っすか?!」
光「いや、お前の出番、ないどころか…」
光「静夢、もう抱き合って血を飲んだり、体洗ったり、しないって。」
光「ご愁傷様。」
緋「はっ…!?」
緋「バレたんすか!?俺の……!」
光「うーん、ちょっと、部屋入れて。」
───バタン。
緋美の部屋にも静夢のと同じベッド、
本棚、机と椅子があり、レイアウトは殆ど同じだった。
ただ、枕元のゴミ箱だけは静夢の部屋の三倍ほどもあり、その中には丸められたティッシュが、今にも溢れそうなほどぎっしりと詰め込まれていた。
光「ええ何このティッシュの山……。」
緋「悪いんすか。花粉症なんですよ。」
光「お前が鼻かんでるとこ見たことないし、何よりめちゃくちゃ青臭い…。」
緋「わかってて聞かないでくださいよ!!」
光「風呂から慌てて出ていったから、そういうことだとは思ったけど、予想以上だわ……。」
光「まあそれはいいとして。」
光「静夢は、お前の教え込んだ儀式や作法が、性的だと気付いたらしい。」
緋「うわっ!マジすか……!終わった………。」
緋「……軽蔑してましたか……?」
光「いや、それが、『緋美は性的知識がないから、単に甘えたかったんだろうな』って。」
緋「ええっ…さすが天使……!」
緋美は口を両手でおさえ、瞳をキラキラと輝かせた。
緋「……でも、なんで気づいたんすかね…?
しーちゃん、性的な知識が皆無だったから、全く疑われてなかったんすけど……。」
緋「……えっ、ウソでしょ?」
緋「……先輩……?」
光「いや、静夢が俺の体を洗ってて、股間のあたりまで下がった時に、疑問に思ったみたいなんだ。」
光「照れながら、『ここを僕が、洗っていいの?』…って。」
緋「うわっ!」
光「だから、洗っても良いけど、触ると形が変わるって、教えて……」
緋「興味を煽って触らせたんすか?!この変態おじさん!!」
光「違う違う!俺が自分で扱いたんだよ……。変態おじさんには変わりないかも…。
静夢、刺激で硬くなるって知らなくて、ビックリしてた。童貞も、やっぱり女の子と性行為しなきゃ、捨てられないと思ってて…」
光「そして、実は目合いって、性行為のことなんだってことも、話した。」
緋「言ったんだ…!」
光「で、男同士でも、これを硬くして、お尻に入れれば、できるんだよって話したら……」
緋「話したら??」
光「入れたいって……」
緋「エッ!」
緋「その、」
緋「入れられる方は…?」
光「嫌だって。お尻に入れるなんて。」
緋「エッ!」
緋「抱けないじゃないっすか!」
光「いや、お前はどっちみち抱けないけど、」
光「挿れたい男が3人……」
緋「あんな猫みたいな顔して、バリタチっすか…。」
緋「ちょっとショック…。」
緋「抱き潰すことばっかり考えてて…。」
光「まあ、そういうことだから、嫌われないうちに大人しく、欲望まみれの儀式は辞めて、静夢を抱くことも、諦めてよ。」
光「てかさ、挿れる挿れないの前に、静夢は俺の彼氏だから。俺たちは二人で話し合いながら、進んでいくから。」
緋「……へえ、凄い自信ですね。」
緋「BLサンド、満更でもなさそうだったのに。なんかありましたね?血を吸わせた時……。」
光「な、ないよ!!」
緋「きょどってません?」
緋「俺、鼻が効くんすけど…」
緋「俺のじゃない青臭さが……」
緋「それも、二種類……」
光「えっ!凄い!!この青臭さ充満してる部屋でも、わかるもんなの?!」
緋「えっ!!」
緋「かまかけたんすけど……マジすか……!」
緋美は膝から崩れ落ちた。
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