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第60話 悪いことしたいな。

「こーくんと二人きりで寝るの、恋人になってから初めてだね♡楽しみだなぁ〜!」 そう言いながら静夢はすでに、ベッドに横たわる俺の上にいる。掛け布団さながらに。 ベッドが狭いからって、ここまでくっつかなくても…。 「静夢、その前に、お腹空いてるでしょ。弁当寝ちゃったから、俺の血を飲んでいいよ。」 「首元に絆創膏つけてるの家族に見られたら気まずいから、なるべく肩側を噛んでね。」 「うんわかった!ありがとうね!」 「ところでこーくん、僕ちょっと、悪いことしたくなってて…。」 「えっ!な…何?どんなこと?」 「このまま、血を飲みたい!」 「えっ!?ははっ!それは確かに行儀が悪いね。ベッドの上で、寝転んで食事するなんて!」 「そう。今まで儀式とか作法ばっかりに拘ってきたけど、たまには羽目を外したいなって。」 「わかる〜!俺もベッドでお菓子食べたことあるよ。ダメだってわかってるからこそ、背徳感があって楽しいんだよね。」 「いいよ、このまま飲んで。」 「やた!こーくんありがとう♡」 「じゃあ、パジャマの上、脱いでもらってもいい?」 「えっ、なんで!?」 「この体勢だと、シャツの襟が邪魔で飲み辛いから。」 「なるべく肩の方噛みたいから、下着も邪魔だね。上全部脱いでいいよ。」 いいよって…?! 俺がよくないですが??! 「僕の服も邪魔だなぁ。」 「よし、僕も脱いじゃおう!」 「は!?」 「上半身裸でベッドで食事って、めちゃくちゃ背徳感あるよね!あはは!」 静夢は躊躇いなく上の服を脱いで、薄い上掛け布団を纏った。 「肌に直接お布団かけるのも、背徳感ある〜!」 「こーくんも脱いで?一緒にお布団入ろ♪」 見慣れた布団から、静夢の白い鎖骨と、薄い肩が覗いている。 あまりに現実感のない光景を前に、俺の思考がフリーズしているその隙に、静夢は手際良く俺のパジャマと下着を脱がした。 「よしよし。これで邪魔モノはなくなった!」 そう言うと静夢は俺に跨って、布団とともに覆い被さってきた。 火照りを帯びジワリと汗ばんだ素肌と素肌が重なり合うと、完全に背徳感の探求どころではなくなった。 「あああああ!!!静夢!これダメなやつだ!!刺激が強すぎる!!!」 「強すぎると、どうなの?嫌?」 「静夢を押し返しちゃうかも…下半身が…,。」 「食事中に硬いのあたってたら、気が散るでしょ!!」 「大丈夫大丈夫!そうなっても、僕が後でどうにかするし。」 「お風呂のお返しもしたかったしね。いいよ、気にしないから!」 「こっちが気になるって!!」 お風呂やベッドで今日のことを思い出させて、俺にも悶々とさせるつもりだな! それほど家で思い出して、静夢自身が悶々としてたんだろうな。 お返しっていうか、仕返しじゃん! 静夢、貪欲すぎるだろ…。 キングオブ童貞の座を譲るよ俺は…。 「こーくん、首舐めるね…」 俺がとっくにキャパオーバーなのもお構いなしに、静夢はその体勢のまま、俺の首筋に舌を這わせた。 本当に言い出したら聞かないな…! ツー… ペロッ ツー…… ペロ… 「静夢!!無理無理!!!これなんか違うじゃん!!裸で抱き合って首舐めるってさすがにアウトでしょ!!」 「下は履いてるよ?舐めるのがダメなの?じゃあもうこのまま噛んじゃってもいい?」 「ダメって言っても聞かないでしょ…。」 「ふふっ、こーくんよくわかってる!じゃあ遠慮なく、いただきます…!」 カプッ… ジュッ……! 「うう…やっぱりこーくんの、美味し…!」 ジュッ………! 「…ハァッ、たまんない…!イイ…!」 ヂュッヂュッ…! ヂュウッ….…!! よほどお腹が空いていたのか、静夢は我を忘れたように血を啜った。 俺の頭を抱き込む左手は、その味に陶酔するように、指先を忙しなくうごめかせている。 右手はシーツを掴んだり、俺の肩を撫でたりと、落ち着きなく彷徨っていたが、 次第にその手が俺の胸に……。 「はい!ストップ!!!!!」

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