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第75話
──結局5回した。
吸血鬼ってこんな性欲強いの?
静夢が特別?
体の60%は体液だというけれど、今俺の体液、10%くらいしか無さそう…。
「なんか飲み物飲まないと死ぬかも。」
「そうだよね、牛乳飲みにいこ!」
お互いパンツだけ履いて、キッチンで立ったまま牛乳を飲んだ。静夢は お行儀悪いね と言いながらも楽しそうだった。
「こーくん、フルーツ切ってあげる。」
静夢はいつものフリルエプロンを着て、林檎とオレンジを切りはじめた。
えっ、裸エプロンじゃん!
これは疲れに効く…!
永久保存したくて、スマホを構えた時、
「ん?」
「どうしたの?」
「……なんか……良い匂い…。」
「えっ!俺?!…じゃなくて、まさか」
「このフルーツ?」
「うん、美味しそう…って今、思ってる。」
「ええっ!」
「食べてみてよ!」
俺は薄くスライスされたリンゴを、震える指で静夢の口にそっと差し入れた。
ほんの一口、いや、爪の先くらいの林檎を、静夢は目を瞑り、シャリシャリと咀嚼した。
「ええ… 砂じゃ無い。これって……」
「美味しい!」
「えええ!!!」
「5回の効果が早速出た??」
「そうだろうね、すごい!」
「オレンジはどうだろう?食べて!」
「……うわっ、美味しいけど、頬の内側がキュッてなる!」
「静夢、それは酸味だよ!酸っぱさだ!」
「味覚獲得、おめでとう!」
「きゃー!ありがとう!!こーくんのおかげ!!」
「大好き大好き大好き!愛してる!!素敵!!君は永遠に僕のものだよ!!!」
静夢は太陽のような笑顔で抱きついてきた。
僕は君のもの って言ってなかったかな。
どっちでも同じことか。
あげたいし、欲しいんだ。俺も同じ。
「こんな楽しいことで、体質変えられるなら最高だね!ね、一緒に住んだら、毎日毎日、いっぱいしようね!!」
毎日の積み重ねが未来になるんだよ?
今俺、干からびて死ぬ未来が見えたかも…
「が、頑張るよ、できる限りね…。」
──ガチャガチャ…
「しーちゃん、ただいまぁ〜。」
ヤバい!緋美…!俺パンツしか履いてない!
俺は慌てて廊下に隠れた。
「緋美、おかえりー!」
「緋美!緋美ッ!みてみて!!」
「なになに??」
「えっ、うそっ!裸エプロン!?」
「旅の疲れに効くー!!写真撮っていい??」
緋美がスマホを向けた時
静夢は林檎をひとひら手に取って
パクッと口に放り込むと
シャクシャクと咀嚼して見せた。
静夢…!!
…ごくん。
「おーいし!あはは!」
ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!
【完】
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