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第16話 順番……
信じられない!!ホントにっ!ほんとーーーに信じられないっ。
タバトさんが信じられないっ。
自分のことも信じられないっ。
ちょっと、ちょっとね、ロマンチックなところに行って告白から仕切り直す前にね、ちょっとキスをね、しようかなって思っただけなのに、もうめちゃくちゃ気持ちよくてとろっとろになって、気がついたら俺は性器を握られてて、しかもタバトさんの性器を擦り付けられてて、しかも気持ちよーーーく2人でいってしまった。
びっくりして、あと恥ずかしくて、服を着たまま性器だけ出している状況も、お互いの精液でベタベタの状況も、もう、死ぬほど恥ずかしくて呆然としてしまった。
あ、俺たちまだ恋人同士になってもいないのに、こんなことしちゃったって思ったし。そもそもまだ裸だって見られてないのに先に性器だけ見られてるの、ほんと信じられない。
このドロドロの状況どうしたらいいの?って戸惑っていたら、タバトさんが俺に軽くキスしてくれて、お風呂から取ってきた水で絞ったタオルで俺の顔と股間を拭いてくれて、汚れた服は脱がしてくれて、それで乾いたタオルを俺の体に掛けてくれた。
タバトさん自身はドロドロなのがあんまり気にならないのか、上のシャツは脱いでしまって、上半身裸で、そのまんま性器をズボンの中に収めて、でもズボンのボタンを開けたままで、なんか半脱ぎな状態で俺の世話をしてくれて、今は釜でお湯を沸かしてお風呂の準備をしてくれている。
ああ。もう。いたたまれない。
俺は久しぶりに異世界の不便さを嘆いた。
俺の五畳ワンルームロフト付きだったら、ささっとシャワーを浴びて、はい、さっぱり。なのに、この世界はかまどでお湯を沸かすところから始めるんだもん。
でもタバトさんは鼻歌でも歌いそうなほど上機嫌で、俺のためにお風呂の準備をしてくれている。
一応、一応、なんというか、俺も流されたし、俺も腰をね、擦り付けたから、こんなこと言える状況じゃないよなとは思ったけど、一応、ちょっと言ってみたんだよ。
「キスだけのつもりだったのに」
って。
「うん。でもソウ、勃ってたから」
って、きらきらした笑顔で言われて。
そうだよね。俺が気持ちよくなってて、それで性器が勃ってたからだよね。性器が勃ってたから、こすって射精したんだよね。
わかんない。さっきまで俺、みんなと恋バナしてなかった?この部屋のこの場所で。それでショック受けてそれから怒ってそれで両想いになって、それでっ。ううううう。
俺はあまりの急展開に目眩をおこしそうだった。
お風呂の準備ができると、タバトさんはさっさと俺を裸に剥いて、抱っこしてお風呂場に連れて行ってそのまま湯船に俺を入れてしまった。裸見られるの恥ずかしいなんて思う暇もなかった。
あ、俺、ちゃんと体を洗ってから湯船に浸かりたかったんだけども。
あ、しかもなぜかタバトさんもズボンとパンツを脱いでそのまま湯船に入ってきた。
あ、お湯、汚れる。
いや、今日はもう気にしないでおこう。あとからタバトさんにはお風呂の入り方を説明すればいい。
だってタバトさんがお風呂の中で俺のことを抱っこしてくれて、すっごい気持ちいいから。
恋人と2人でお風呂に入るなんて項目、もちろん俺の理想の恋愛妄想の中にある!ただその項目はもっとすごい後の方にあったはずで、叶う順番がめちゃくちゃなんだけども。
でも、タバトさんに後ろから抱きかかえられながらお風呂に入るの、すっごく気持ちよかった。
俺、気持ちいいことに流されやすい自分を自覚した。
今まで何の経験も無かったから知らなかったけど、多分俺、めちゃくちゃチョロい。
でもタバトさんは全然チョロいなんて思ってないだろうし、そもそもチョロいなんて概念タバトさんの中には存在しないと思うから、もう俺はチョロい自分を受け入れようと思う。
精液で汚れた服をフランツ君に洗わせるのは絶対だめ!!って言ったら、タバトさんは首をかしげながら、服とタオルを洗って干してくれた。
それはそれでフランツ君には何があったかバレバレな気はするけれども、子どもに情事の後始末をさせるなんて絶対だめ。
そんな感じで、タバトさんは色んなことを片付けてくれて、それで俺に軽くキスをしてくれて、ロマンチックなデートの約束をすると帰って行った。
さっきのキスくらいのが、ファーストキスのつもりだったんだけど。
と、今更遅いことを考えながら、俺はタバトさんを見送って、それでベッドに潜り込んだ。
あまりにいろんなことがありすぎて、とっても疲れた。俺はベッドの中で、なんでこんな順番になってしまったのだろうと考えたり、タバトさんとのキスを思い出したり、その後のことを思い出したりして、しばらくもぞもぞしていたけれども、そのうち眠ってしまったようだった。
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