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第6話

 すると、あのあの、と岡崎が勢いよく真翔の方へ近づいてきた。 「さっき聞こえちゃったんですけど、赤羽さんって東雲さんと同級生だったんですか!?」 「え、ええ、まあ……。大学で情報系の同じ学科でした」 「すごーい! しかも学生ぶりの再会ですよね? 運命的ですね」 「それもすごいけど、優秀なイケメンが二人もいるってすごくない? あー、私も一緒だったらよかったです」  岩本も岡崎と似たようなタイプで、話がわっと盛り上がってしまった。  真翔はいつも優吾に教えてもらってそこそこ成績はよかった。一方の優吾は、一人でも十分優秀だった。上位十人の中に入る科目は多数あり、卒業時には表彰されていた。  だからこそ尊敬して、自分の未熟さに嫌気が差していた。 「俺としては、今こうして華やかな女性が二人もいるチームの方がいいと思いますよ。理系の大学なんて、野郎ばっかでしたし」  真翔は苦笑いでなんとか話題を逸らせようとする。 「こらこら、岩本さん、岡崎さん。雑談は休憩のときにして、そろそろ業務に戻って」 「はーい」  岩本と岡崎は渋々といった様子で自席に戻っていった。続いて古谷と森も戻っていく。 「じゃあ、真翔の席は俺と古谷くんの間で。まずはパソコンの設定からしよう」  他の人は名字で呼んでいた一方で、優吾は真翔と名前呼びだった。特別感があって真翔はそわそわした。  パソコンのセットアップから始まり、『しばらくお待ちください』と表示されたため手持ち無沙汰になってしまった。そして真翔は気づいた。優吾がチームリーダーということは、しばらくは真翔と一緒に行動することが多くなるということだ。いくら仕事とはいえ、気まずい別れ方をした相手である。真翔は普通に接することができるか不安になってきた。 「そういえば、休憩スペースも行ったよね?」 「お、おう」 「昼休憩以外にも、ちょっとリフレッシュしたいときにも使っていいから安心してね。それに、コーヒーマシンは絶対真翔が気に入る味だと思う」 「ふーん……」  別れたから五年も経過しているのに、どうして真翔の好みを覚えているのだろうか。それに、昔と変わらない穏やかな口調で、細かなところまで気が利いている。真翔のことを嫌っているとは思えない優しさに、好きという感情が再び溢れてしまいそうだ。  あくまで仕事だから優吾は丁寧に説明してくれている。真翔は自分にそう言い聞かせて速まった鼓動を落ち着かせようとした。

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