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「紅、入るよ」  初めてのときは、遠慮がちだったクロだけれど、今は違う。主導権を握られた紅は、嬉しくも切なくて腹の奥がきゅんとする。 「……うん」  紅の目を見つめながら、じわじわと芯が内壁を割り、押し入ってくる。昨日の今日なので、そこはまだ柔らかいのだろう。難なく受け入れ、粘膜が擦れると甘い痺れが背筋に走る。 「っあ、ぁ……く、ろ……」  浅いところにある好きな箇所を引っかかりで攻め立てられ、紅はのどをさらして喘いでしまった。  丁寧に思いやって責めてくれるクロのやり方は、体だけでなく心まで満たしてくれる。  なので紅も、クロを存分に満たしてやりたい。 「気持ちいい……?」  掠れた声が聞いてくる。シーツを握りしめながら、こくこくとうなずくと、よかったと言ってさらに腰を進めてくる。  内側を押し広げてくる芯の圧に逃げそうになるけれど、懸命に耐える。 「クロ、は?」  短く速い呼吸をしながら尋ねると、クロは苦しそうな表情になって内側に収まった芯がさらに膨れた。 「……すっごく、きもちいぃ」  揺すりそうになる腰を耐えているのがわかる。我慢しなくていいのに。 「ちょっと、動くね……」  切羽詰まった声がすると、ゆったりとしたストロークで抽挿が始まった。けれど、浅いところだけを行き来している気がする。  一度交わっただけなので確証はないが、遠慮されている気がする。 「クロ……全部、入った……?」  ぴたりとクロの体が止まる。 「え、と……半分、かな」  この圧でまだ半分かと知ると、紅は体が裂けるのではないかと思ってしまう。しかし、今度こそクロとは深くまでつながりたい。 「来てよ、もっと……」 「……紅、壊れない?」  クロがそう思うほど、自分の中は窮屈だろうか。クロ自身も狭くてそれ以上は無理なら、仕方ないのだけれど。 「クロが無理なら、やめたらいいよ」 「無理じゃないよ! 俺はもっと、入りたい」  本心を聞けて嬉しくなってしまう。  紅は押し拡げられる圧に耐えながらほほ笑むと、クロの腰へ足を絡めた。  それを合図に、クロはさらに腰を進めてくる。昨日到達したところよりも、さらに奥へ紅の様子を見ながら押し入ってきた。 (そこ、すごっ……)  ひとりで慰める好きなところを、クロの熱い塊が擦っていく。  けれど、紅が快楽を知っているのはその深さまでだ。その先までは、手持ちの道具では弄ったことがない。 「あ、あッ、ふか、い……」 「紅、紅………っはぁ」  大きなため息とともに、全て収まったと告げられた。  双丘にクロの腰が当たるのを感じ、本当だと気づき紅も嬉しくなる。 (これで本当に、全部ひとつに…)  クロへ向かって唇を突き出すと、かぶりつくようにキスが落ちる。頬は汗で湿っていた。  腰から伝う甘い痺れに耐えるように、深いキスで口内を貪ってくる。 「んっ……動いてッ……」  キスの合間にねだると、クロはようやく腰を打ち始めた。けれど気遣っているのか、ストロークが遅い。 「くろっ……」 「あぁぁッ、紅、ごめんね、もう我慢できないッッ!」  言ったかと思うと、突然強いひと突きに奥底を抉られた。 「ッッあぁぁ!」  速度と強さをあげて、紅の内側を抉ってくるクロは、望んだとおり自分の好きにしてくれている。  最も深いところでつながり、必要とされて求められたことが、紅は幸せでたまらない。  肉を打ち付ける音を何度もさせたあと、クロは最奥で精を放った。強力な突き上げに、紅まで高みへ押し上げられてしまった。 (これでクロの役に立てるなら……いくらでも……)  好きな人と愛し合うだけで役に立てるなど、紅にとってこのうえない。そんなことでクロを幸福な人生へ変えられるのなら、毎日だってしたい。 「クロ、穢れ払えたかな?」  まだ萎えない芯を内側へ収めたままで聞いてみる。  するとクロは不満げに口を尖らせた。 「紅が好きだよ。触れたくてたまらないから、してるの。紅は違う?」 「ううん」  よかったといって、満面の笑みを見せ、またキスをされた。クロはキスがかなり好きらしい。 「名前、結局どうやって呼んだらいい?」  クロには結局、サードや吽形といったものがあった。クロは紅が勝手につけたので、そのまま呼んでいいのかは気になっていた。 「クロだよ、紅がくれた名前が一番好き!」  額の汗をぬぐいながら、無邪気に言う姿のアンバランスさがまた魅力的だ。セクシーだしかっこいいと思ってうっとり見つめていると、クロが内側で反応しだす。 「……クロ、何で、また…?」 「俺、おっきくできるって言ったよね? だって紅とだもん、たくさんしたい」  眉尻を下げ、すっかり力を取り戻した芯で内側をとんとんと突いてくる。 「え、え、嘘だろ? だってもう二回出した…」  達して敏感になった内壁は、すぐに快楽を呼んでくる。けれど、また流されてしまいたい。  カーテンの向こうがうっすらと明るくなってきた。それでも一向に尽きそうにないクロの精力と体力に、紅は今日の授業は休もうと決めた。  どんな存在であっても、クロが好き。愛することを許してくれた。一緒にいたら、これから先もきっと幸せだ。 【完】

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