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第37話 いつもの店で
いつものバーにリキが来ている。
バーボンのボトルを置いて,ロックグラスに氷が一つ。コポコポと注ぐ。
ドアを開けて一花が入って来た。
「リキ、お迎えが来てるわよ。」
後から恭司が入って来た。
「ああ、ずっと力丸を預かってもらって
ありがとな。」
「ふふふ、力丸はウチの子になりました。
マンションに許可をもらって、
もうずっとのおうち。蜜がいいって。」
「ああ、あいつは新婚だからな。
一花はいいのか?」
「ええ、離れ難いの。もう家族よ。
また、縁遠くなったわ。
猫付きの女をもらってくれる男、いないかな?」
(一花はいい女だ。幸せになってもらいたい。)
「リキは函館で夕子に会ったのよね。
どうだった?」
「ああ、綺麗な息子がいたよ。
旦那もいた。ヤクザだった。」
「あの人はそういう生き方しか出来ないのね。
息子がいて良かった。孤独地獄じゃないのね。」
一花は寂しそうな顔をした。
「力丸を頼む、な。」
「リキの力丸だから大事にするわ。」
恭司が隣で笑っている。この上なく幸せそうな恭司の顔を見て思い出したように一花が言った。
「斎田会で保護動物の施設を作ったんでしょ。
優しいヤクザね。感謝するわ。野良たちのために。」
「ああ、だから頑張ってシノギをやらないとな。」
C国の富裕層から保護動物のために寄付が届いた。協賛はC国サッカー協会となっている。
「C国に動物愛護法を望んでいる,頑張ってるサッカー選手がいるんだよ。賛同する富裕層のファンが付いてる。イケメンなんだ。」
「あの国も鬼ばかりじゃねえんだな。」
リキと恭司は、店の前を手を繋いで帰った。
「いつも、ここを酔っ払って歩いたものだ。」
リキがしんみりと言った。
「ああ、バーボンストリートブルースだな。」
了
全ての動物を虐待から守りたい。
そんな思いで書きました。
摩利支天拝
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