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第10話
「問答無用だ。お前たちは三日間店に出ることを禁じる」
東堂の言う罰は、あまり過酷ではないような気がする。
しかし、それだけではなかった。
「お前たちはこっちに来い!」
東堂は、二人を引っ張りどこかへと連れていく。
建物の奥の奥、これまで飛鳥は足を踏み入れたことがない場所。
「まさか、ここって……」
和音が呟き、飛鳥は「何?」と小声で聞く。
「物置部屋だ。お仕置きで閉じ込める時にも使われるんだ」
和音の答えに、飛鳥は思わず「え!?」と声が大きくなってしまう。
「お前たち、何をごちゃごちゃとしゃべってるんだ」
東堂の低い声が響いた。
そして足を止めたところには、小部屋が二つ並んでいる。
「一人ずつここに入ってろ!三日後に出してやる」
和音と飛鳥はそれぞれに部屋に押し込められ、部屋には鍵がかけられた。
さすがに食事は与えられたが、飛鳥と和音は三日間部屋に閉じ込められたのである。
ほとんどの時間を何もない部屋で一人きりでいると、色々なことが飛鳥の頭の中を巡った。
家族たちはどうしているだろうか、政忠は自分に会いに来ただろうか、そして一番に思い浮かぶのは和音のこと。
こうなって、彼は後悔していないだろうか。
客室に飛鳥を連れ込んだのは和音だが、今は「連れ込まなければ良かった」と思っているかもしれない。
また、具合は悪くなっていないだろうか。
一人で何もない部屋に閉じ込められていたら、気が滅入るはず。
飛鳥がそうなのだから、和音の心身にも影響を及ぼしているのではないか。
そんなことばかりが思い浮かぶ。
心身共に疲弊していった飛鳥は、三日後に飛鳥たちは解放された。
しかし、それを機に和音との関係がぎくしゃくしてしまう。
気まずさなのか申し訳無さなのか、和音はあまり飛鳥と話さなくなってしまった。
しかも東堂が、和音を飛鳥の部屋から移動させてしまったのだ。
これで、和音との関わりがほぼなくなる。
飛鳥は、これはもう和音を諦めろと言われているのではないかと思った。
和音の迷惑になると考え、飛鳥は彼への想いを消し去ろうと決意。
閉じ込められていた三日間、その中の一日のみ政忠は飛鳥に会いに来ていたらしい。
しかし店の者に「本日は店に出ておりません」と言われたという。
解放されたその日、政忠が店を訪れた。
これまで頻繁に通い詰めていた政忠は、会えなかった時間を補うように飛鳥を激しく抱いた。
政忠の膝に跨り、腰を上下に動かしながら喘ぐ飛鳥。
「あっ……はっ……はぁっ……」
何かを振り払うかのように、一心不乱に政忠を感じた。
飛鳥は政忠の体に翻弄される。
「可愛い。可愛いよ、飛鳥くん」
そんな言葉を囁かれ、飛鳥はますます政忠の体に執心する。
政忠の体に溺れていれば、和音のことを忘れられるのではないかと思ったから。
でも、飛鳥の頬を涙が伝う。
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