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第10話 番外編1-4
「えー…、ゴムつけてもだめ?」
「だめ」
「えー…」
そのまま嶋根とにらみ合う。
本当に申し訳ないけれど、洗っていない後孔はとても人に弄らせられるもんじゃない。
「じゃあいいや」
ツンとして嶋根がこちらに背を向けてベッドに入った。
「え?ぬ、抜かなくていいの?
俺、手と口ならできるよ?」
そう背中に問いかけても返事が返ってこない。
怒らせちゃった?
嫌われちゃった?
不安になって背中に手を伸ばしかけたけれども、俺にそんなことされたらむしろうざったいだろうと思いなおして服をただした。
ジンジンと熱を持った乳首が服に擦れる。
さっきまではあんなに盛り上がっていたのに、今はその余韻がむしろ虚しさを助長した。
彼に背を向けて布団に入る。
目が熱くなってほろりと涙がこぼれると、その液体はあとからあとからとめどなく流れる。
嗚咽が漏れそうになるのを必死でこらえながら泣いていた。
カーテンの向こうが明るくなり始めたころ、ようやく意識が薄らいで、俺は眠りに落ちることができた。
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二日酔い特有の頭の痛さと倦怠感を抱えながら体を起こす。
昨日は…、颯也が迎えに来てくれて、笹川に嫉妬して、そんで授乳手コキをしてもらった。
完全に酔った勢いでお願いしたけれど、まったく後悔はしていない。
恥ずかしそうに平らな胸を差し出す颯也は本当に可愛かった。
思い出しただけで立ちそう…、というかもう立ってるなこれ。
昨日抜いてないもんな。
颯也に挿入を断られていじけたふりをしていたら急に眠気が来て…、そこから記憶がない。
てか風呂キャンしたせいで布団がうっすら居酒屋の油臭い気がする。
今日は土曜日だし、シーツ変えて掛け布団も洗ってくるか…。
まずはシャワー浴びようとベッドから抜け出すついでに愛しい寝顔でも見ておこうと反対側に回って颯也の顔を覗き込む。
あれ?
なんか目周りが腫れているような…?
そっと瞼を指でなぞると、彼は「んん…」と身じろいだ。
やっぱり泣いた?
昨日のが嫌だったんだろうか?
いやでも、結構ノリノリだったような気もするけれど…?
首をひねりつつも起きたらちゃんと話をしようと考え、浴室に向かう。
っていうかムラムラするなぁ。
今日こそは颯也とヤりたい。
かつては付き合ったら1人としかセックスしちゃいけないなんて不健全だと思っていたのに、今の俺は誰かとヤる暇があるならすべて颯也との時間にしたいなんて思っている。
彼が目を覚ましたらどこに行こうかな、とか何食べようかな、とか幸せな想像をしながら風呂から出る。
髪を雑に乾かして寝室に戻ると、颯也の形に盛り上がった布団から嗚咽が聞こえていた。
「えっ!?
そ、颯也、どうかしたの?
どこか痛い?病院行く?」
駆け寄って布団越しに背中をなでながら顔を覗き込むと、彼は顔をくしゃくしゃにして泣いていた。
「救急車呼ぶ!?」
ただ事ではないと思った俺が慌ててスマホを探すと「ち、がう」と鼻声に制された。
「違う?痛くないんだね?」と問うと彼はうなずいた。
じゃあ一体、どうしてこんなに泣きじゃくっているのか。
俺の経験上、颯也が泣くことはめったにない。
「じゃあどうしたの?教えて?」
俺が優しく涙を拭きながら聞くと、颯也がとぎれとぎれに話す。
「俺が、ちゃんと準備しなかったから、できなくてごめんなさい。
今日から毎日ちゃんとするから、嫌いにならないで」
可哀そうなぐらい嗚咽で苦しそうにしながら彼が言った。
彼の涙の理由は完全に俺のせいだった。
「颯也を嫌いになるわけないだろ!!
昨日はただ酔いのせいで急に寝ちゃっただけで、颯也は悪くないから。
全部俺のせいだから、ね?泣かないで?」
頭をなでたり背中をさすったりしているうちに、颯也の呼吸が安定してくる。
「嫌いじゃない?」
「んなわけない。大好き」
俺がそう言うと、彼はふふっと擽ったそうに笑った。
あ、やばい。立つ。
そもそも昨日抜いてなくて溜まってるのに、こんな庇護欲を掻き立てる顔をされた堪ったもんじゃない。
「ちょ、ちょっと俺、リビング行くわ。
颯也はゆっくり寝てて」
そう言って立ち上がろうとすると、袖をつかまれた。
「一緒に寝ないの?」
濡れた双眼が俺を見上げる。
か、可愛い。
「あー…、俺は結構よく寝たし…」
「ん…、一緒に寝たい。だめ?」
不安そうに俺を見上げる颯也。
そんな可愛いお願いを断れるわけがない。
「ん"ん"…、いいよ」
俺は布団に体を滑らせる。
やっぱ居酒屋臭い。
「起きたらシーツと枕カバー洗おうな。
俺のせいで居酒屋臭いわ」
「そう?
…、んー、そうかも」
俺の枕をスンスンと嗅いでいる颯也を襲いそうになる。
絶対寝れないわこれ。
「ね、もっとくっついてもいい?」
いつもなら”もちろん”と答える問いにも、俺の固くなってるソレのせいで泣く泣く断るしかない。
「今日っていうか、今はだめ、かな?」
そう答える俺を不満そうに見上げる。
「だめなのがだめ!」と言って彼は構わずに抱き着いてきた。
颯也の膝?がソレに強めにヒットして俺は悶えた。
「あっ…、ごめん。
ぬ、抜こうか?」
気づいた颯也が顔を真っ赤にして言うので「夜に頼もうかな」と額に口づけた。
コクコクと一生懸命頷く颯也はいつになってもウブさが抜けなくて可愛らしい。
夜のことを考えると互いにさらに眠りにつくことは難しそうだった。
~番外編1 了~
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