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第2話 王子と新人執事。

 のんびり静かに過ごしているはずだった。 「レイモンド、今夜私の部屋に来い」  『無能王子』こと、麗しの第三王子ラファエルは現在40歳を迎えたが、歳をとってもその美貌は衰えることもなく、今は従者を茶化しながら過ごしていた。 「お断り致します」  レイモンドは今年からラファエル王子の執事として仕えはじめた新人だった。  185cmの高身長でスタイルの良いレイモンドは、まさに絵に描いたような真面目の堅物。  その真面目さは男爵家の次男、貴族出身ゆえの教育の賜物だった。 「もう少し肩を抜かないと、疲れるだろう」  ラファエルはレイモンドの片眼鏡を取り上げて顔を覗き込むが、これだけの美貌の顔面が近づいてもその執事は態度を変えることはなかった。 「これが私の勤めです」 「片眼鏡、伊達なのか。何故掛けている?」  片眼鏡をレイモンドに掛け直すラファエルは、自由奔放、まさにそんな感じだった。  そんな自由奔放な王子に余計な反応をされ、これ以上玩具にされるのは避けたいレイモンドは、空になった王子のティーカップに紅茶を注ぐ。 「……」 「伊達眼鏡を何故掛けている」  黙っているレイモンドに詰め寄るラファエル、根負けした執事は答えた。 「……威厳のためです」  思った通りの答えが返ってきたことに満足したラファエルは、微笑んでからティーセットを片付けさせた。 「堅物で真面目なお前は、嫌いじゃないよ。レイモンド」

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