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第3話 年の差。
新人執事レイモンドに興味を持ったラファエルだったが、だからといって専属の執事にはしなかった。
いくら貴族出身の執事だからといって超特別待遇となれば、周りからの反感を食らうだろうと判断したのだ。
専属執事アランを筆頭に湯浴みのために、ラファエルの脱衣した衣服を拾い始める。
「……アラン、私は美しいか?」
「はい、殿下は美しいです」
何の確認のためなのか、時折ラファエルはアランに容姿のことを聞く。
「具体的に答えろ」
いつもならば具体的になどとは聞かずに納得するのだが、今日はいつもとは違うようだ。
「お髪は絹糸のように艶やかで、銀灰色の宝石のように輝く瞳、真珠のようにしっとりとした肌」
「いや、……もう良い」
19歳で婿に行った時ならば素直に聞き入れ納得しただろう言葉を紡がれ、ラファエルは溜息を吐いた。
今自分は40歳、流石にそんな例えを出されても気を使わせていると気付く。
「殿下は何か不安でもあるのですか」
不安という種はラファエルは幾つも感じているが、それとは違う言葉を彼は放った。
「今年入った執事の歳はいくつだ」
落ち着いた雰囲気だが、だいぶ若いことに片眼鏡を外したときに気付いたのだ。
「レイモンドは20歳だったかと」
20歳差か、流石に私のようなオジサンに手を出すほど飢えていまい、そう納得したラファエルだった。
「殿下のお気に召されたようなら、専属執事を交代しますが」
「私の専属執事はアラン以外は考えていないよ」
先程少し考えていた事を、長年仕えていた専属執事に言い当てられ、苦笑しながらも落ち着いた雰囲気で伝える。
特別待遇など、私はしない。
そんなことをしたら、どんなことになるか目に見えている。
あの男のような相手を作るわけにはいかない。
ラファエルは久しく思い出すことのない、自分を雌に変えた男のことを思い出していた。
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