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15受容
マーレは僕と同じ銀の髪に金色の瞳を持って生まれてきた。そしてこの子は手のかかる子だった。王宮が雇った乳母が悲鳴を上げ僕に助けを求めてきた。マーレはとにかく僕が抱いていないと泣きじゃくる子だった。喉が枯れんばかりに泣くので最初は何か病気かと思った。王宮医師にも診察して貰ったが、ただ母親が恋しいだけだと言われた。
「くそっ、僕はお前の世話はしないはずだったのに」
とにかく手のかかるマーレに乳母では役に立たず、結局僕が面倒をみていた。アルジャンはそれを嬉しそうに見ていた。マーレが一人で眠ることができず、僕と一緒に寝ていた。おかげでアルジャンに抱かれることが減った。それだけは救いだった。
「マーレが羨ましい。俺もシルバと一緒にいたい」
「実の娘の前で僕を犯す気ですか、駄目ですよ」
「分かっている、マーレが大きくなるまでなるべく我慢する」
「いっそずっと我慢していてください」
その言葉どおりアルジャンは我慢できなくなった時は僕を抱いた。マーレを乳母に預けてとても貪欲に僕を求めた。マーレは長い間は離れていられなかったから、アルジャンが僕を抱くのも急いでやった。そうして僕はマーレの世話をしているうちにこの子は可愛いじゃないかと思えてきた。産まれた当初は殺したいくらい嫌いだったのに、世話をやくうちに絆されてしまった。
「よしよし、マーレ。今日もご飯を飲もうな」
「俺も飲んでみたい」
「アルジャン、どうしたんですか。牛の乳でしたら望めば飲めますよ」
「シルバのが飲みたい」
「貴方は正気ですか」
「俺は正気だ、大丈夫。赤子の分は残す」
こうしてアルジャンは僕を抱く時に乳を飲むようになった。僕は赤ん坊が二人に増えたような気がした。もうアルジャンが僕を抱いても抵抗もしなかった。抵抗しても無駄だったから仕方なく受け入れたのだった。アルジャンは相変わらず情熱的に僕を抱いた、初めて抱いた時と全く変わらず物凄く求められた。そうしているうちに僕はまた妊娠した、もう死のうとは思わなかった。アルジャンを受け入れたように王妃としての役目も受け入れたのだ。そうして今度は男の子が産まれた。
「名はファルコンにしよう、しかしこいつは俺に似たな」
「黒髪に金色の瞳、貴方そっくりですね」
「なんだかファルコンがシルバに甘えると嫉妬する」
「自分の子どもに何を言っているんですか」
幸いファルコンは手のかからない子だった。だからマーレの時ほど僕が世話をすることも無かった。マーレは相変わらず僕にべったりで手のかかる子だった。二人の子供を育てるうちに僕の考えも変わっていった。昔はどうしても受け入れられなかったアルジャンを夫して受け入れるようになったのだ。
「アルジャン、僕にも王妃の仕事をさせてください」
「だがシルバの負担になるだろう」
「僕は王妃なのでしょう、では仕事をさせてください」
「分かった、ただし無理のない範囲でな」
僕は自由になった、王宮内だけの自由だったけどそうなった。そうして王妃の仕事をアルジャンに教えて貰いながらするようになった。マーレはよく僕にくっついて政務室までやってきた。時にはファルコンもついてくることがあった。政務室で政務官たちに遊んで貰いながら二人の子どもは育った。僕も王妃としての仕事を覚えていった。家庭教師と勉強したことは無駄にならなかった。
「シルバ、キスしていいか?」
「いつもみたいにお好きなように」
「いやシルバから許可を貰ってキスしたいんだ」
「はぁ、まぁ。いいですよ」
アルジャンがある日そんなことを言いだしたので僕は軽い気持ちで許可を出した。そうしたらアルジャンはとても激しいキスをしてそのまま政務室で僕を抱いた。そして嬉しい、嬉しいと泣いていた。
「何故、泣くんです?」
「シルバがやっと俺を受け入れてくれた」
「でも二度と政務室でこんなことをしたら怒りますよ」
「分かった、もう二度と政務室では抱かない」
僕はシルバ、何故だか知らないがいきなり王妃に選ばれた。そして最初は拒否していたアルジャンという王を今ではやっと受け入れている。人生何があるか分からないが、男性が男性を好きになる気持ちが最近分かりかけてきた。僕はまた身ごもった。三人目の子どもだ。アルジャンや子どもたちと幸せに生きていくように僕は努力するだろう。そうこれが僕がいきなり王妃に選ばれた経緯だ。
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